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『クラウドコーチング』を語る - ANAビジネスソリューション

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ANAビジネスソリューション 宮崎志郎氏に、「研修内容を定着させるとはどういうことか」について詳しく聞きました。

ANAビジネスソリューションについて

ANAビジネスソリューションは、人材派遣、企業研修という事業領域で、ANAグループならでは接遇ノウハウ、ヒューマンエラー対策ノウハウを、お客様のビジネスに適合した形で提供しています。従業員数1303名、設立1988年、年商61億円。2017年より『クラウドコーチング』の販売パートナーとなっています。同社の研修ノウハウを記した書籍、「ANAの口ぐせ」は7万部超のベストセラーに。 a5

宮崎 志郎氏について

ANAビジネスソリューション 営業本部 研修事業部 参与。1974年ANAに入社して以来、整備本部に勤め、航空機の心臓部にあたるエンジン整備に長年、関わる。2003年より整備本部教育訓練部の教官として整備士の教育のほか、コミュニケーション研修や社外向けの講演活動など多数。得意分野はヒューマンエラー対策。「長年航空機の整備に携わり、多くのヒヤリハットやヒューマンエラーに接してきました。その体験をもとに、『なぜ人はエラーをするのか?』『どうすればエラーを防げるのか』、『人はどうすれば納得して行動するのか』『仕事の仕組みはどうあるべきなのか』など、人間中心の視点で理論化し、研修を行っています(宮崎氏・談)」 a1

(※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています)


 

研修の学びが定着する、とはつまりどういう状態のことか

- 「研修を行っても、効果が長続きしない」「その時は盛り上がっても、一週間もすれば熱は冷める」、多くの企業の人事部がこのような悩みをかかえています。ここで宮崎様にお伺いします。まず「研修の内容が定着する」とはどういう状態のことだと考えますか。

まずは「できなかったことができるようになる」、そして「それをやらないと気持ち悪い(習慣になっている)」という状態だと思います。

そのためには研修の中での「気づき」が大切です。次に、気づきから「行動」に移し、繰り返し行うことで習慣へとつなげていくことです。

ANAの整備部門には、ヒューマンエラーを防ぐための多くの「口ぐせ」があります。「あれっ、大丈夫」「どうしてそうしたの?」「失敗した人は”犯人”じゃない」などです。何かトラブルが生じたときには、関係者はこれらの言葉を「反射的に」口にします。

「口ぐせ」が重視されることの背景には、「ひとはすぐ忘れる」「ミスもする」「熱気はすぐ冷める」という認識があります。この前提を無視して、学びを定着させようとしても上手くいきません。

私が『クラウドコーチング』に関心を持ったのは、「研修での学びを習慣づけさせることが『しくみ化』されている」と感じたからです。

解説:『クラウドコーチング』とは?

『クラウドコーチング』は、研修の学びを定着させるためのクラウドサービスです。

その内容は大きくは、「行動すべき項目を自分で決めて、それが実行できたかどうか日々、自己採点する」「自己採点の内容は上司や同僚にも公開し、いわゆる『360度評価』を行う」という内容です。

具体的な使い方は次のとおりです。

1.【行動項目の設定】
 研修で得た知識を、実現するための「細かな行動項目」を定めます。内容は原則として、研修の受講者が自身で考えます(※ 講師が項目のひな形を提供することもあります)
2.【日々の振り返り(自己採点)】
 1日の終わりに、スマートフォンやパソコンで『クラウドコーチング』サイトにアクセ スします。そして行動目標をどれだけ達成できたか自己採点します(100点満点)。
3.【毎日の集計】
 日々の振り返り内容はクラウド内のデータベースに蓄積されます。上司(管理職)は、 部下がどんな振り返りをしているかWeb上で見ることができます。内容はグラフなどで 分かりやすく表示されます(上司だけでなく、部下どうしで互いに振り返り状況を見ら れるよう設定することも可能です)
4.【月に一度の定点評価】
 上司は、振り返り状況をもとに評価、判断を行い、必要な場合は部下と対話します。
 「定期的な上層部への報告」
 『クラウドコーチング』に蓄積される振り返りデータ(グラフ)を使えば、研修を行う 前と行った後の、「受講者の行動の変化(=研修の成果)」を上層部に報告できます。

『クラウドコーチング』の活用のコツ

- この『クラウドコーチング』を、上手く使いこなすコツは何ですか。

毎日の行動目標を「小さくする、具体化する」ことが最も重要です。たとえば「朝、皆に挨拶をしたかどうか」「終業時に机の上を片付けたかどうか」のような、一見して馬鹿みたいに思える項目を設ける方が有効です。

逆に良くないのは「常に配慮を持って行動しているか」「仕事の目的を常に明確に意識しているか」のような、一見して立派に見える項目を設定することです。

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それはバカバカしいのではないか?という疑問に答える

- とはいえ「朝、挨拶をしましたか」では、率直なところ「社会人が手間暇掛けて自己採点するほどのことか?」「小学生じゃあるまいし…」という感想を持ってしまいます…

そう思う気持ちも分かります。ただ、これについてはいくつかの視点でコメントしたいと思います。

コメント1.「小さい項目でないと定量的に評価できない」

「常に目的を意識しているか」のような大きな項目は、他者からは、その成否を正確に見分けるのが困難です。一方、小さな項目なら、できたかできないかすぐ分かるので、定量的な評価が可能です。

コメント2.「結局、問題の原因は、『小さな、当たり前のこと』ができていないこと」

ANAでの整備の経験、そしてANAビジネスソリューションでの企業研修、コンサルティングの経験から言いますと、企業内、部門内で何か問題が生じているとき、その原因をつきつめると、結局は「あたりまえのことができていない」という結論に帰結することが多々ありました。

コメント3.「当たり前のことができる状態は、実は当たり前ではない」

あまりに基本的な「小さな項目」については、上司視点、人事視点で見れば、「我が社の社員なら当然、分かっているはずだ/できているはずだ」という反応になりがちです。しかし思い込みを排し、状況を虚心に観察すると、実はその「小さなこと」が案外にできていません。この「基本行動の欠落」がやがて大きな問題につながるのです。

例えば「メール」に関して言えば、メールを受け取ったら、確認した旨の返信をする。反対に、送り手は、返信が無ければ確認の連絡を入れる。この基本的ができていないために「ポテンヒット」が生まれ、それが大きなミスにつながることがあります。

コメント4.「意識ではなく、まず行動を変える」

「意識を変えればすべてが変わる」とよく言われます。確かに、ひとつの真実だと思います。しかしここであえて、

「では、どうすれば意識が変わるのか?」
「言って聞かせれば、意識は変わるのか?」
という問題提起をするならば、いかがでしょうか。さらに言えば、

「意識が変わったか変わらないか、どうやって判定するのか?」

という問題も生じます。私としてはむしろ、

「行動を変えれば意識が変わる」

という考え方に立ちたいところです。手でも足でも口(声)でも、何か体を動かす、それを繰り返す。そのうち考えなくても体が動くようになる、習慣づけされ、反射的にできるようになる。この身体(行動)の変化に影響されて、ついに意識が変わる、そう考える方が適切だと思うのです。

客室乗務員は「笑顔」になることで、お客様を温かく出迎えようという意識になります。また、整備士は、「指差呼称」することで、ミス防止の意識が高まります。

コメント5.「行動すれば、思い詰めない」

意識を変えるには内省が必要です。ただ内省することと「思い詰めること」は似て非なるものです。「あー、自分はダメだ、どうすればいいんだ、ああでもない、こうでもない」と、グルグル同じことを考え続ける…、これを繰り返しても意識は変わりません。この堂々巡りから抜け出すには、とにかく行動することです。これは、気分が晴れないときは、とにかく体を動かせば頭がスッキリする、ということに似ています。

『クラウドコーチング』で示される行動項目は、一見して、ひどく小さく、バカバカしく思えます。しかし、小さかろうが何であろうが、とにかく行動し、それを振り返ることにより、思い詰める心理状態からは抜けることができます。

コメント6.「メタ認知力を養成する」

自分を変えるには「メタ認知力」を養うことが重要です。メタ認知とは、「一段上の認知」のことです。「(幽体離脱するように)もう一人の自分が自分を見ている状態」ともいえます。

『クラウドコーチング』では、1日の終わりに行動項目を達成できたかどうかを振り返ります。この振り返りもまた「メタ認知」行動の一種といえます。これを繰り返し行うことで、「(こんな簡単なことは)できているはず」「できて当然」という”思い込み”の状態を脱し、「本当にできているのか」と自分を外から冷静に見る視点が養われます。自己の行動を変えるには、この”外から自分を見る”、メタ認知が必須です。

必要なのは習慣付けではなくイノベーションなのではないか?という問いに答える

- 『クラウドコーチング』が「意識ではなく、行動を変えることに着目する」仕組みであるという点は分かりました。とはいえ、それはやはり「航空会社の整備部門」のような「決まった仕事を確実にやる」という職種でのみ有効な方法論ではないでしょうか。イノベーションやアイディア創出が必要な業種では、その方法論は無効では?

確かに現代は独創的なアイディアやイノベーションが強く求められている時代です。しかしここで着目したいのは、仮にスティーブジョブズのような天才が、独自のアイディアを創出したとしても、そのアイディアは、「実行」されない限り絵に描いた餅だということです。

そして多人数の会社組織において、その大部分は「普通の人」です。つまり、それら「普通の人」の実行力を高めない限り、独創的なイノベーションが十分に「実行」されることはありません。したがってイノベーションの価値を認めてなお、大多数の社員の実行力を向上させることの重要性は何ら減じないと考えます。

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実行力とは「決めたことを、やり抜く力」のことです。このやり抜く力とは「一時的な高揚」でも「火事場の馬鹿力」でもなく、もっとあっさりしたものだと思います。最近、社員のモチベーションが重要とよく言われます。しかし実行力とは本来、モチベーション(やる気)に左右されてはいけません。そうではなく、「やる気がなくてもできる」、「習慣づけされている」、これが実行力のある状態です。

まとめ

- モチベーションでもイノベーションでもなく、「習慣」が重要だということですね。
はい、そうです。「やる気がなくてもできる」という状態は、「習慣」と呼ぶのが適切です。私は、実行力とは結局「習慣」のことだと思います。

これまで言ったことをもう一度まとめてみます。

「重要なのは意識より行動」

「実行力は全ての社員に必要」

「実行力とは、『やる気』に左右されずできる状態」』のことである」

「その状態を『習慣』という」

「習慣づけを通じた実行力の養成」、これを実現するためのツールとして、『クラウドコーチング』は、一つの有力解だと思います。

写真左はビジネスコーチ、『クラウドコーチング』事業部長、栄木

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※ ANAビジネスソリューションのホームページ
※ 取材日時 2017年10月

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