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第12回:ケータイだけじゃない、コーチングの世界も「ガラパゴス」

青木 裕 青木 裕

ビジネスコーチの青木です。

2008年、2011年に続き、今回が3回目の来日となるエグゼクティブ・コーチングの第一人者であるマーシャル・ゴールドスミス博士。

来日を前に、前回の来日時にマーシャル・ゴールドスミス博士からお聞きした2つのことをご紹介いたします。

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■マーシャル流 その1. クライアントの中に答えはない
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「相手の中に答えがある」という考えは、コーチングでは定説のようになっています。

前回の来日セミナーの時にコーチングをすでに学んでいる参加者のお一人からマーシャル・ゴールドスミス博士に次のような質問がありました。

——
参加者:
クライアントの中に答えがあるというスタンスでコーチングをすることが重要だと学んだが、マーシャルはそれについてどう思いますか?

マーシャル:
まったくのナンセンスだ。
クライアントが答えを持っているのなら、クライアントは実行している。
答えがないから、コーチングを受けているのではないのか。
——

と、マーシャルが答えたとき参加者の中から「どよめき」が起こったことを今でも鮮明に覚えています。

相手の中に答えがあるからこそ、コーチングは
「聞く」
「質問する」
「アドバイスは(ほとんど)しない」
ことが機能するはずです。

世界一流のエグゼクティブコーチからまったくの反対意見が出たことは参加者にとって、目からうろこの瞬間となったようです。

ケータイのように、実は日本のコーチングも「ガラパゴス」になってしまっていたのではないでしょうか。

そして、マーシャルは次のようにも言いました。

——
マーシャル:
先週のクライアントの1人はマイク・デュークでした。
彼はウォルマートのCEOです。4200億ドル規模の企業です。
彼の時間はどれくらいの価値があることでしょう。

私が彼の時間を無駄にするような暇はありません。
私が彼と過ごす時間は短いほどいいのです。
——

このコーチングの時間をできるだけ短くする核となるのが「アドバイス」なのです。

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■マーシャル流 その2. アドバイスはいつもする
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「アドバイス」についても、参加者と次のようなやり取りがありました。

——
参加者:
コーチがアドバイスをするということに違和感を覚えます

「アドバイスをする」ではなく、「アイディアをもらってください」と伝えるというのはどうでしょうか?

マーシャル:
アイディアを提供する という視点はとても素晴らしいです。

ところで、なぜアドバイスすることに違和感を覚えるのですか?

参加者:
何かを教えてあげなくてはならないとか、有益なことを言わないといけないと思ってしまう。

マーシャル:
それの何が問題なのですか?

参加者:
相手を下に見るとか相手のことを深く知らないと有益なアドバイスができないなどと思うから問題ではないか。

マーシャル:
(なるほどと、何かが理解できた様子で、大きくうなずきながら)

まず第1に、あなたは心配しすぎです。
第2に、私はクライアントにいつもアドバイスをしています。

私はその際、私のアドバイスがバカげていると思ったら実行しなければいいのだと言っています。
誰も強制していないのですから。

あなたはクライアントを子供のように扱っているのですよ。

あなたが何かを提案したら、クライアントがこぞって実践しなければならないと思っているのです。

クライアントは大人です。

やりたくない、またはバカげていると思ったら実践しません。
あなたはエゴを謙虚さで塗り固めているのです。

あなたは、
「クライアントを下に見ているような言い方をしたくない」
と言いました。

でも、あなたが本当に言わんとしているのは、
「私が提案すれば、クライアントは実践するだろう」
ということです。

私に言うことは?

参加者:
(私にエゴがあったことが分かりました)

ありがとうございます(笑)
——

コーチングでは成果が出ないとお聞きすることがありますがそれは、コーチングのアプローチそのものが誤っていることにひとつの原因があるのではないかとビジネスコーチとしては思います。

本物のエグゼクティブコーチング、つまり成果を出すエグゼクティブコーチングとは何かを体験されたい方はぜひマーシャル・ゴールドスミス博士の考えに触れ、もしできることならば生で体験していただければと思います。

■プロフィール
マーシャル・ゴールドスミス(Marshall Goldsmith)

世界的大企業の名経営者100人以上をコーチし、GE、Google、UBS、ゴールドマンサックス、クレディスイス、グラクソ・スミスクラインをはじめとした大企業でエグゼクティブ開発に携わったことで知られるエグゼクティブコーチングの第一人者。

ピーター・F・ドラッカー財団の役員を10年間務め、ハーバードビジネスレビュー誌がメディアスポンサーであるThinkers 50(2011年)(*1)のリーダーシップ部門第1位に選出される。

日本では、日経ビジネスオンライン(*2)にて取材記事が掲載されたほか、
『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』
『コーチングの神様が教える後継者の育て方』
『コーチングの神様が教える「前向き思考」の見つけ方
(日本経済新聞出版社)など著書も多数。

2013年7月12日に来日し、日本のエグゼクティブ向けにセミナーを開催予定。3月末までのお申込で、早期割引(早割)になります。

▼▽7月12日 来日セミナーの詳細▽▼
http://www.businesscoach.co.jp/blocks/index/00100

○関連リンク
(*1)
http://hbr.org/web/slideshows/the-50-most-influential-management-gurus/7-goldsmith

(*2)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20080919/171035/?rt=nocnt

 

執筆者プロフィール
青木 裕(あおき ゆう)

ビジネスコーチ株式会社 執行役員
BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ

明治大学卒業後、システム開発会社に入社。プログラマーとして現場でプログラミングからスタートし、SE、プロジェクトリーダーなど主に一部上場企業で使われる Web系の業務アプリケーションの構築に従事する。 2006年、ビジネスコーチ株式会社に参画。マーケティング マネージャー、 スクール事業部 部長を経て、2012年より現職。 2012年、ビジネスコーチ アジア設立に伴い、取締役を兼務。

■実 績
卒業後 プロジェクトリーダーとして、プロジェクト運営にビジネスコーチングを導入し顧客との要件定義やプロジェクトメンバー内のコミュニケーションのロスを劇的に減らし、システム開発における生産性向上を果たす。

現在は主にSierや事業会社の情報システム部を対象にした、
管理職研修や一体感をつくるチームビルディング研修を実施。 また、メーカーの設計開発部、製薬企業研究所のなどエンジニア(専門職)も多数。

執筆に、Webの連載コラム『成功するITマネージャーの「人づきあい術」』(ITmediaエンタープライズ)がある。

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