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第21回:ビジネスコーチングはホスピタリティを背負っている -「対等となるにふさわしい相関関係」を構築する-

加地 照子 加地 照子

今私は、ビジネスコーチングの世界、特にエグゼクティブコーチングと幹部層を対象とする

1対1のコーチングの伝播に力を注いでいます。

ビジネスコーチングにおいては、マーシャル・ゴールドスミスやローラ・ウィットワースをはじめとした識者達が、「クライアントとコーチは対等である」と記しています。(1)

私は、大学卒業後、航空会社に入社し育ちました。
『人と人との対応を大切な商品』の一つに捉える企業ですので、旅客(お客様)と係員の関係は、「サービス」という言葉を媒体として常に心にのしかかる重要な課題だったのです。

そのような中で、現在はホスピタリティ心理教育学会の会長であり、日本ホスピタリティ・マネジメント学会の名誉会長を務められている服部勝人教授に出会いました。

その折、教授が発した
「ホスピタリティとサービスの違いを知っているかい?」
という問いに電撃的な衝撃を受けました。
違いが分からなかったからです。

「ホスピタリティとサービスは語源から異なっているんだよ。
ホスピタリティは主客同一、一方サービスは一時的主従関係から派生しているものなんだ。(2)」
それでも良くわかりませんでした。
それから日本ホスピタリティ・マネジメント学会に入り、さらに同教授を師としホスピタリティ・マネジメントについて学ぶこととしたのです。

そして、最も重要な要素は、「対等となるにふさわしい相関関係(3)」の存在であることを知ったのです。
さらにホスピタリティとは、単なるもてなしの世界ではなく、上司と部下の関係をはじめ「リーダーシップと大いに相関性がある(4)」ことが分かりました。

 コーチングは意欲能力の高い人材に有効であり、意欲は高いが能力はこれからという人材にはティーチング、能力は高いがモチベーションが少々落ち気味の方には、まず承認行為をしてからのコーチングが有効と言われています。

このプロセスを実行するにあたり、コーチにとって有効な考え方やスキルがホスピタリティと大いに相関性があることを強く意識するようになりました。

特に、コーチングを受けたいというエグゼクティブの方々は知的有識者であり、ビジネス経験も豊かな方々です。
かようなクライアントと正対して向き合えるためには自己成長を絶えず図るよう精進が必要であり、さらに常に「自分(コーチ)は、クライアントと対等となるにふさわしい相関関係を築けているか?」を問わなくてはなりません。

対等となるにふさわしい関係となるためには、ホスピタリティを実践する力が必要なのです。

ホスピタリティを私はかように定義しています。

      
-ホスピタリティの定義-

提供者の心意気が絵姿となって具体化され
それが相手の五感に震えをもたらし、
ひいては再度の縁を持ち続けたいと願うほどの
満足感や心地よさをもたらすモノや場。
従って、ホスピタリティは、単なるもてなしという
よりも戦略である。      
 
(©加地照子2012-2013)

コーチは、クライアントの真の意志を探求する力に溢れていなくてはなりません。
しかしながら、相手を慮るだけでは不十分です。
クライアントに動機づけを促し、行動に移せるところまで導いていくことが期待されています。

そのためには、コーチがクライアントにまずホスピタリティを提供し、クライアントがコーチと縁を持ちたい、コーチについていきたいという心情にまで至れるように設えたいと思います。
その後コーチが、コーチングのスキルを持ってクライアントに自発的に実行に至ってもらうというプロセスが有効だと思っています。

言い換えれば、まずコーチのホスピタリティの実践、そしてコーチングの実践という流れに乗るという一連の行動が円滑に推移してこそ、クライアントが目的を達成なされ成果を勝ち得る、そして満足感や自信をお持ちになれると考えています。

コーチ → ホスピタリティ → コーチング → 成果 → クライアントの「ハッピネス」

「コーチングはホスピタリティを背負っている」
 
この言葉を心に抱いて、ホスピタリティを実践しつつ、ビジネスコーチングを実行し、クライアント様が心身ともに『至福=グレイト・ハッピネス』に到達し、更に未来に向けて出発できるようご支援していきたいと願っています。

出所:(1) マーシャル・ゴールドスミス 久野正人監訳 
「自らの行動を変革する」2013
『リーダーシップ・マスター』英治出版 p.31
および ローラ・ウィットワース他 CTIジャパン訳 
2008『コーチング・バイブル』東洋経済新報社 p.24
(2) 服部勝人 2004『ホスピタリティ学原論』
中外出版 p.91、95
(3) 服部勝人 2006『ホスピタリティ・マネジメント学原論』
丸善出版 p.113
(4) 加地照子 
「ホスピタリティとリーダーシップの相関性に係る一考察
-ワークライフバランスの戦略と成果の視点から-」
2012『HOSPITALITY』第19号
日本ホスピタリティ・マネジメント学会 p.17

 

執筆者プロフィール
加地 照子 (かち てるこ)

東京外国語大学フランス語科卒
BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ
ビジネスコーチ株式会社パートナービジネスコーチ
世界ビジネスコーチ協会(WABC)正会員
日本航空株式会社、ジャルパック、日航財団、21世紀職業財団に勤務後独立
ホスピタリティ・マネジメント学論にて修士号
クライシスマネジメント協議会理事、日本ホスピタリティ・マネジメント学会理事

■実績
【人材育成に早期より関わっている】
日本航空入社後、初代女性海外実習生としてパリ勤務、のち欧州各国航空会社と協定交渉、営業所長を経て中近東クウェート駐在。本社管理職として世界各国社員の人材育成企画・訓練に従事。女性活躍推進の全社的新規プロジェクトを担当。日航財団広報担当部長および研究開発センター主任研究員となる。
2003年21世紀職業財団の東京事務所長のち本部事業部担当部長となり、日航での現場・政策両分野の経験を生かし、リーディング諸企業の人財多様性経営や女性活躍推進の実行支援に集中する。2010年独立。
【ホスピタリティ・リーダーシップ・コーチングを独自に提唱し実践している】
「グローバルに活躍する女性幹部を育成する」をビジョンとし、2011年にプロのビジネスコーチ、2012年に世界ビジネスコーチ協会正会員となる。企業・行政・大学より要請を受け研修指導。役員・基幹管理職を中心としたOne to One Coachingを実践。

■書籍
直近では「ホスピタリティとリーダーシップの相関性に係る一考察」:2012
『ホスピタリティ』第19号(日本ホスピタリティ・マネジメント学会刊行)

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