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第38回:破壊的質問力を身に付ける「9番目」のキーワード

橋場 剛 橋場 剛

2013年3月から毎月1回、「圧倒的成果を上げる『破壊的な質問力』を身に付ける」というセミナーを開催してきました。

 

「破壊的な質問」を別の言葉で表現すると、「相手の思考を広げ、相手に強い気づきをもたらす質問」です。

 

これまでに経営幹部の方から営業責任者、人材育成責任者まで実に幅広い職層の方々にご参加いただいており、
「質問力を高めたい」という能力開発ニーズは役職や職種に関係なくあることを実感しています。

 

このセミナーでは様々なエクササイズが行われ、中でも「質問力を高めるエクササイズ」においては毎回多くの発見があり、
これは私が最も好きなエクササイズの1つでもあります。

 

このエクササイズは簡単に言うと、クラスから選ばれた1名のプレゼンテーターが話す
「解決したい課題」に対して残りの参加者全員が、プレゼンテーターに強い気づきをもたらす質問、
つまり「破壊的な質問」を投げ掛け、最終的に誰の質問が最も破壊的であったか、
についてプレゼンテーター自身に選択してもらう、というものです。

   

1回のクラスでこのエクササイズは2回行いますので、毎回2名のいわゆる”破壊的質問者”のチャンピオンが選ばれることになります。

 

ここで1つの興味深い事実があります。

 

それは1回のクラスで必ず2セットのエクササイズを行うのですが、連続して同一人物が
「破壊的質問者のチャンピオン」に選ばれたことがない、ということです。
もちろん今後はあり得るかもしれませんが、少なくともこの1年以上、V2達成者は皆無です。

 

ここから1つ分かることは、

 

<1人の人間が、相手の思考を広げる「破壊的質問」を コンスタントに投げ掛け続けることは実に難しい>

 

ということです。

 

本セミナーでは、「破壊的な質問」を構成する「4つの要素」と「8つのキーワード」を学びますが、「4つの要素」の中の1つに

 

”質問の目的(意図)”

   

があります。

 

「質問の目的(意図)」というのは、

   

「何のためにその質問をするのか?」
「その質問によって何を知りたいと思うのか」

   

といった質問者が質問した背景となる考えや思いのことを指します。

 

例えば、あなたがコーチとして相手に対して次の質問を投げ掛けたとしましょう。

 

=================================================
【質問】それはあなたが本当にやりたい仕事ですか?
=================================================

 

この質問の「意図」として考えられるのは、例えば

 

「相手に深い内省を促したい」という意図。
(つまり、それはあなたが本当にやりたい仕事ではないのではないか、   という仮説に基づく質問)

 

あるいは、

 

「相手の意思や本気度を確認したい」という意図。
(つまり、相手にとってそれが本当に望ましい選択なのかを再確認してもらうことで、
もし自分の気持ちに正直でなかったとしたら再考を促したい、という思いに基づく質問)

    

といったようなことです。

 

こうした明確な「意図」をもって質問を投げ掛けるためには、  その前提として、

 

「目の前にいるクライアントを勝たせたい」
「目の前にいるクライアントに圧倒的な成果をもたらしたい」
「目の前にいるクライアントに最良の選択をしてもらいたい」

   

といった質問者(コーチ)側に内在する相手(またはクライアント)に対する強い衝動が不可欠です。

 

「強い衝動」というのは言葉で言うのは実に簡単ですが、
人と関わる際に相手に対して「強い衝動」をもって接するということは実は並大抵のことではありません。

 

「強い衝動」について、私自身の失敗談を例にお話ししたいと思います。

 

私はこの10年間で延べ数百人の方のコーチングを行ってきましたが、
私のコーチングの品質の低さが原因でこれまでに1度だけ担当コーチをクビになりそうになったことがありました。
私がビジネスコーチングに取り組み始めてまだ間もない頃のことです。
クライアントはベンチャー企業の女性経営者Aさんでした。

 

「月に2回、3ヶ月毎の更新」という契約でコーチングを始めたのですが、
5回目のコーチングセッションが終わり、第1クールも残すところいよいよあと1回というときに、
彼女からこんなメールが来ました。

 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
「ご相談なのですが、今、現時点で私の中でコーチングが思う通りに進んでいないような感があります。
今のコーチングの内容が、私が問題点を洗い出して、
その点のアドバイスを橋場さんにいただくという流れになっている気がするのですが、アドバイスではなく、
私から答えを引き出すのをお手伝いいただいて、私自身が自分で答えを見つける方向でいきたいのですが、いかがでしょうか。
今後のコーチングの継続の要否については、
次回のコーチングが終了してから決めたいと思います。」
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *  

Aさんからのメールはとてもショックでした。
これは今思えばコーチングの初心者にありがちなミスなのですが、私がAさんに対して行っていたのは
、コーチングなどではなく、Aさんに対する一方的なアドバイスであり、あるいは、
Aさんからすれば「上から目線」のコーチングだったのかもしれません。

 

Aさんからこのメールをもらったとき、私はある覚悟を胸にすかさず次のように返事を書きました。

 

「次のコーチングセッションがAさんにとって有意義なものでなかったら、
その時点で迷わず、私とのコーチングの契約を遠慮なく終了してください」

 

私はAさんとの次のコーチングを成功させたいと思い次のコーチングではアドバイスは封印して、
Aさんのアイデアを引き出すコーチングに専念しようと決めました。

   

Aさんとのコーチングに臨むに当たって私が自分自身に課したのは、次のようなことでした。

 

  • Aさんに具体的な圧倒的に成果を上げていただくこと(売上目標を達成してもらうこと)
  • Aさんの期待値を超えるサービスを行うこと(コーチングによる有意義な「発見」をもたらすこと)
  •  

  • Aさんが考えていること、思っていることに120%耳を傾けること

 

いま思えば、Aさんからのフィードバックがあったからこそ、
「Aさんを勝たせたい」「Aさんに成功してもらいたい」
という強い意図が心底私の中に生じたように思います。

 

私の側にあった問題は「Aさんにアドバイスをした」ことにあるのではなく、
「Aさんに成果を出してもらうことへのコミットメント」の不足でした。

 

幸いなことに崖っぷちで実施したこのコーチングセッションは充実したものとなり、
結局Aさんとのコーチングはこの後8ヶ月間継続しました。

 

約10ヶ月間に及ぶすべてのコーチングが終了した後、
しばらくしてからAさんが送ってくれたお便りには次のようなことが書かれていました。

  • コーチングのあと、売上が順調に伸びていること
  • 無事に目標達成できたこと
  • 新しい社員を採用できたこと
  • 先輩経営者に褒められたこと

どれも嬉しくなるような輝きを放つ言葉たちでした。

これこそが私自身が身をもって、破壊的質問力を身に付ける「9番目」のキーワードに気づいた瞬間でした。
(9番目のキーワードが何かは敢えて明記しないことにします)

2014年は残り5回の開催となりました。
ぜひ「9番目」のキーワードを携えて「破壊的な質問力を身に付ける」セミナーへのご参加をお待ちしております。

 

執筆者プロフィール
橋場 剛(はしば ごう)

ビジネスコーチ株式会社 専務取締役
BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ

アクセンチュア株式会社にて主に大手ハイテク企業に対するコンサルティング業務に携わる。同社マネジャー及び企業経営を経て、当社設立に参画。2010年1月より現職。
大手総合電機メーカーにおけるWeb受注納期回答システムの導入支援、開発購買領域の業務設計・システム化要件定義を実施し、大手企業の業務効率向上を実現する。大企業へのコンサルティング業務の経験を活かし、経営者、マネージャーら50名以上に対してコーチングを実施し、ビジョンの明確化、業績の向上に寄与する。
著書に『優れたリーダーに変わる たった1つの行動』(中経出版)、『ダイエットに成功する人が会社を活性化できるワケ』(扶桑社)がある。

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