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第62回:「年上の部下」とはどのように関わるべきか?

安室 元博 安室 元博

コーチングのクライアントやセミナーに参加されるビジネスリーダーから、職場での悩みの相談を受けていますが、最近、特に若手のリーダーから、
ある共通の悩みについての相談が多くなっています。

それは、「年上の部下との関わり方」についてです。

「自分よりも年齢が上の部下への対応に困っている」という声が本当に多くあるのです。

「上司と部下の年齢の逆転」が起きている背景には、若くて有能な人材にチャンスを与えたい、抜擢をして活性化させたいという思惑や、ベテラン社員に対する役職定年、定年の引き上げ、または雇用延長等の対応があると推測できます。

ここで、ひとつの問題が起きます。

それは、この年齢の逆転が起きている上司部下の関係においては、世にあるマネジメントやコミュニケーション法を学んでも通用しないということです。

なぜなら、これまで書籍などで語られてきたマネジメントやコミュニケーション法のほとんどが、上司は年上で部下が年下、または、上司が経験者で部下が未経験者、というように「上司が部下を指導する」という関係が前提になっているからです。

多くの若手リーダーは、ここに悩みを抱えているのです。

そして、さらにこの問題を複雑にしている側面があります。

それは、「年上の部下」と一括りに言っても、状況は十人十色であり、これまでのキャリアも違えば、経験してきた立場、役職も違います。
だから、考え方や仕事に対する姿勢に相当の違いがあります。

上司が年上であれば上司も自分の経験で察して対応することが可能ですが、上司が年下である場合、それができません。
それにも関わらず、従来のようなマネジメントやコミュニケーション法をとっていては、うまくいくはずがありません。

皆さんの会社ではどうでしょうか?

ビジネスコーチ社では、この問題を解決すべく定期的に「年上の部下を動かす」セミナーを開催しています。

このセミナーでは、 「年下の上司」が「年上の部下」の懐に入り込み、信頼関係を築くための要点を次の3つの切り口でお伝えしています。

1.「年上部下」のことを理解する

「年上部下」に変わることを求めることは得策ではありません。上司が部下への理解を深めることが第一歩となります。
まずは、「年上部下」をタイプ別に分けて、その対応を検討していきます。

一つの例として年上の部下を次の6つのタイプに大別します。

(男性)
 ①メンツにこだわる「左遷・降格」タイプ
 ②立場の変化に戸惑う「定年後再就職」タイプ
 ③出世に縁がない「万年非管理職」タイプ

(女性)
 ①苦労を乗り越えてきた「雇均法第一世代」タイプ
 ②変化とは無縁できた「一般OL歴20年超え」タイプ
 ③家計を支える「パートママ・派遣」タイプ

それぞれの持つ背景、価値観を推測し、それぞれの対処法を明らかにしていきます。

対処法のポイントは以下のとおりです。

(男性)
 ①メンツにこだわる「左遷・降格」タイプ
  ⇒プライドが高く、評価に対して不満を持つ
   そのため、とにかく存在を承認する

 ②立場の変化に戸惑う「定年後再就職」タイプ
  ⇒どんな仕事に向いているのか見極め、納得した仕事を任せる

 ③出世に縁がない「万年非管理職」タイプ
  ⇒心を開かせる。自分のキャリアと向き合ってもらう

(女性)
 ①苦労を乗り越えてきた「雇均法第一世代」タイプ
  ⇒これまで仕事中心でやってきたため、上司の右腕になってもらう

 ②変化とは無縁できた「一般OL歴20年超え」タイプ
  ⇒キャリア形成を一緒に考える。ステップアップを支援する

 ③家計を支える「パートママ・派遣」タイプ
  ⇒当事者意識を持ってもらう。意見に耳を傾ける

2.承認すること

“部下への理解”を深めることで、「年上部下」が共通に抱える問題がわかってきます。

それは、「承認欲求」です。

部下からしてみれば、自分よりも年下の人の指示を仰いだり、命令に従うことは、決して面白いことではありません。
時には、プライドを傷付けられることもあるでしょう。

このような中で、よい関係を築いていくには、「年上部下」の「承認欲求」を満たすことが必要です。

では、どうしたら「年上部下」の「承認欲求」を満たすことができるでしょうか?

それには、次の3つのポイントを抑えると効果的です。

 ①共感する
 ②傾聴する
 ③質問する

大切なことは、「年上部下」の存在を尊重し、頼りにするということです。

その姿勢で、共感、傾聴、質問を繰り返すことができれば、「年上部下」側の「承認欲求」は満たされ、お互いの関係はさらによいものになっていくことでしょう。

3.経験知を伝承する

「年上の部下」は、その人なりの経験知を持っています。

しかし、それがその人だけの経験で終わり、他の人に共有されたり、受け継がれたりすることがなく活かされていないケースをよく目にします。
「年上の部下」が社内にいるのであれば、その人の存在価値が必ずあります。その価値の一つが、その人の持つ経験知を他のメンバーや後輩に伝承していくことです。

伝承のポイントは次の通りです。

まず、「年上の部下」のキャリアを棚卸します。そこには、本人が自覚する以上のノウハウや経験知が埋もれていたりするものです。

次に、わかってきた経験知やノウハウを形式知にしていきます。つまり、文章化や見える化をさせます。

そして、形式知化されたものを、発表会を実施して他のメンバーに公開し、共有を図ります。

実は、私が最初に持った部下は全員が年上でした。
上司の経験のない私は困り果てて、マネジメントの本を読み漁りましたが、全く通用しませんでした。

36歳で会社を移った時に上司になった人は自分より年下でした。そこでは、年下上司とよくぶつかりました。

このように、私は上司と部下の年齢の逆転について、両方の立場を経験してきました。
今回は、その中で上手くいった方法や気づいたポイントから、特に効果的と思える内容をお伝えしました。

「年上の部下」は「年下の上司」からすれば、扱いにくい存在ですが、「年上の部下」が配属された意味や価値は必ずあるはずです。
また、「年下の上司」としては、「年上の部下」を避けるのではなく、「年上の部下」から学ぶという姿勢で接すれば得るものが多くあります。

今回取り上げた「年上の部下との関わり方」については、上司であれば、避けて通ることができない問題と言っても過言ではありません。

「年上の部下を動かす」セミナーでは、ワークや対話を通して、この問題をさらに掘り下げています。
関心のお持ちの皆さまのご参加をお待ちしております。

 

執筆者プロフィール
安室 元博(やすむろ・もとひろ)

ビジネスコーチ株式会社 パートナーエグゼクティブビジネスコーチ
ビジネスコーチスクール認定プロフェッショナルビジネスコーチ

大手百貨店での12年のマネジメント経験を活かし、人事担当者として社内の
人材育成に携わる。その後、経営コンサルティング会社にて、経営者から新入社員まで
世代を超えた人材教育を一手に担当し、企業の意識改革、業績改善に貢献。
2011年に独立し、現在はビジネスコーチ社パートナービジネスコーチ。
これまで上場企業中小企業300社1,000の組織の改革を実行し、
その過程で5,000名のビジネスパーソンの行動変革を支援。
社内のコミュニケーションとミーティングのやり方を変えることで組織のモチベーションを喚起し、
業績目標達成を目指すコーチングスタイルを提供。
その結果、クライアントの86.7%が最高売上利益を記録し更新中。

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