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第63回:暗黙知の事業承継~後継者の育て方~

吉田 有 吉田 有

大企業のCEOであれ、中小企業の経営者であれ、いつかは経営者の立場を後継者に引き継ぐ時がきます。
これまでに数々の素晴らしい業績を残した経営者であっても、ほとんどの場合、事業承継は初めて経験することであり、これをうまく成功させることが、経営者としての集大成となります。

企業数において我が国の99%を占める中小企業では、現在、その多くが 世代交代の時期に来ており、このテーマは非常に大きなものとなっています。

(1)経営者の引退年齢の現実と、後継者側の理想の承継年齢とは?

2012年の野村総研のアンケート調査によれば、中小企業の経営者の平均引退年齢は、67.7歳と高年齢です。
創業経営者にとって、会社は自分の人生そのものでもあり、生涯経営者でいたいという想いが強いからでしょう。

しかし、ゴーイングコンサーンの考えで企業を継続していくためには、後継者側の立場に立って考えることが必要です。
同調査によれば、後継者側から見た理想の年齢は、40~49歳です。

インターネットを効果的に使って、マーケティングや時代のトレンドをつかむことが、ビジネスを大きく左右する時代です。
後継者は、先代のビジネスを守るだけではなく、時代に合った新たな事業を創造する、第二創業的な発想で、事業を見直していくことが求められています。

(2)後継者を選ぶポイントは?

優れた後継者を選ぶことは、社長にとって最も重要な仕事の一つです。
後継者には、様々な資質・能力が求められますが、2013年の中小企業白書においては、後継者を決定する際に重視することとして、次の3つがベスト3として挙げられています。

①リーダーシップ 
②経営に取り組む意欲
③決断力と実行力

大企業であれば、社内の豊富な人材から選ぶことが可能ですが、中規模の企業においては、十分な人材がいるとは言えず、親族が事業承継するケースが多いのも事実です。そのため、後継者をどのように育てていくかということが、次のポイントになります。

(3)事業承継の準備として取り組むべきことは?

事業承継の準備としての具体的な取り組みに、相続税・贈与税の対策や 事業承継に必要な資金調達、自社株式・事業用資産の整理などがあります。
しかし、現経営者が最も関心を示すことは、後継者の育成問題です。
できるだけ早い時期に、後継者を決め、十分育てる期間を考えた計画を立てて おくことが重要です。後継者の育成には、3年程度の期間が必要です。

また、後継者だけではなく、後継者を支援する組織作りも重要になります。
この時、後継者が役員や社員から理解され、支持されるかがとても大きな ポイントとなります。

(4)後継者が力を発揮して、承継を成功させるための最も重要なポイント

事業承継がスムーズに進むためには、後継者が本気になって、力を発揮できるような環境を整えることです。
それには、現経営者の影響力がいつまで残るとうまくいきません。

現経営者が、後継者を本当に育てるためには、信頼して任せること、つまり経営から早めに身を引くことです。そのためには、現経営者が、引退後に残りの人生の時間を何に使うかを真剣に考えることが必要です。
この視点がないと、引退しても口出ししたり、再度経営に復帰するなどし、 承継自体を混乱させることになってしまいます。

(5)暗黙知の事業承継とは?

実際の事業承継で行うべきことは、税金対策や株式の承継対策ですが、実は「経営者の暗黙知」の承継が最も重要です。
ここでいう「経営者の暗黙知」とは、会社を守り発展させてきた社長の想い、信念、情熱、リーダーシップ、営業力、判断力などを指します。

この「経営者の暗黙知」を見える化する手法として効果的なのが、「ナレッジファシリテーション」です。
これは、経営者とのインタビューを通じ、「経営者の暗黙知」をポストイットに書き出しながら、整理していく手法です。

ポストイットに書き出すだけなら誰でもできることですが、ナレッジファシリテーションの最大のポイントは、仕事の「本質」を抽出できることにあります。 仕事の表面的な部分だけを抽出・羅列するだけではほとんど意味がなく、 経営者の1つ1つの意思決定や行動の背景にある「真の意図」が適切な表現で 言語化されることで価値ある暗黙知が初めて他者に承継されていきます。

こうして引き出された「暗黙知」をテーマごとにまとめて、「暗黙知のナレッジブック」を作成し、それを基に後継者に対してコーチングを行うことで、事業承継をうまく実現することが可能になります。

これまでに、この手法を使って、事業承継のお手伝いをしてきましたが、 経営者の方々から上がってくるコメントの多くは、経営者の人間観、事業への想い、経営の語録等です。まさに経営者の暗黙知の集合体としての「ナレッジブック」ができてきます。

後継者はこの「ナレッジブック」をよく読んで、自分にとって最も必要な項目を絞り込み、その実践を日々の仕事の中で行うことをコーチングのテーマとします。 事業承継とは、まさにこのコーチングのプロセスそのものと言えるでしょう。

「暗黙知の事業承継」セミナーでは、上記の(1)~(5)につきまして、 より詳細にご説明いたします。
「事業承継」をスタートさせるひとつのきっかけになると思いますので、 関心をお持ちの皆様のご参加をお待ちしております。

●↓↓↓詳細はこちら↓↓↓
「日経トップリーダー」経営者クラブ特別セミナー
2015年9月18日(金)開催 暗黙知の事業承継「経営者のDNAを後継者に継承させる成功法則」
http://nvc.nikkeibp.co.jp/semi/20150918/

 

執筆者プロフィール
吉田 有(よしだ たもつ)

ビジネスコーチ株式会社 取締役
BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ

日米両国日米両国の経済協力の先駆的ケースである準国策的なパルプ会社に入社し、アラスカ州シトカ市にて勤務。
帰国後、複数の中堅企業の経営を経て、当社の設立に参画。

■実 績
20年間の中堅企業の経営経験を基に、多くの中堅企業、ベンチャー企業の経営者や経営幹部に対して1対1のエグゼクティブコーチングや組織活性化のビジネスコーチングを行い、業績向上に寄与する。40,50代のシニア向けキャリアデザイン研修も行なっている。

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