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第88回:ビジネスリーダーが認識しておくべきコミュニケーションのレベル

安室 元博 安室 元博

あなたのチームのコミュニケーションは良好でしょうか?

これまで私はコーチとして、
1,000以上の組織やチームに関わってきましたが、残念ながら、
「コミュニケーションに問題ない」というところはかなり少数でした。
感覚では7割以上の組織が
コミュニケーションに何らかの課題を抱えているといった状態でした。

チーム内のコミュニケーションに関する問題は、
例えば、 報連相が機能しない。情報が共有されない。会話が少ない。
直接言わずにメールで済ます。顔を合わす時間が少ない。など様々あります。

そして対象は、リーダーとメンバーばかりでなく、リーダー同士、メンバー同士、
先輩と後輩、男性と女性、男性と男性、女性と女性のように幾通りもあり、
それぞれ問題の質が異なります。
さらに1対1だけでなく、1対他数、他数対他数の場合もあり、
あらゆる面に問題を生む要素があるのです。

しかし、 問題がこのように多岐にわたるにもかかわらず、
実際のところその対処法は多様ではないように思えます。

「コミュニケーションを活発にとろう!」 といった曖昧な掛け声や、
「報連相を徹底しよう」「積極的に意見を言い合おう」と
一般的なルールを示すに止まるケースが多いようです。
これらが全く機能しないとは思いませんが、問題が多岐に渡るのに、
対処法がワンパターンでは納得のいく成果が出ないのは当然と言えます。

では、その原因はどこにあるのでしょうか? 
それは、「コミュニケーションがとれているとはどういう状態なのか?」
といったイメージが希薄である点にあると考えられます。

私はコーチングセッションで、クライアントのビジネスリーダーに、
次のような問いかけをすることがあります。

「チームはどういう状態が望ましいのですか?」    

すると・・・

「コミュニケーションがとれている状態」   

と答える人が少なくありません。
このように具体的なイメージが持ちにくいのです。

コミュニケーションの状態にはレベルがあります。
つまり段階です。
チームが成長するにつれて、コミュニケーションのレベルも上の段階を求めます。
レベルは次の5段階です。

レベル1 メンバーが、意見を否定されずに言える状態
レベル2 メンバーが、リーダーや他メンバーの話を素直に聞ける状態
レベル3 リーダー・メンバーともに、自分の存在価値を感じられる状態
レベル4 リーダー・メンバーともに、お互いの立場の違いを容認できる状態
レベル5 リーダー・メンバーともに、共通した理想を描くことができる状態

このようにコミュニケーションの問題は、段階における「質」こそ変わりますが、
常にその状況ごとに抱える問題があると言えます。

もし現在、チームに対して「会話が少ない」「メンバーからの意見が少ない」
「チームのまとまりが弱い」と感じているのであれば、
レベル1と2を意識することから始めることです。

レベル1 メンバーが、意見を否定されずに言える状態
レベル2 メンバーが、リーダーや他メンバーの話を素直に聞ける状態

まずはコミュニケーションの「量」を増やすことです。
メンバー間の交流の場を増やし、自由に意見が言い合える環境を作ることです。
そのためには、意図してオフサイトミーティングやレクなどを導入すると効果的です。

そのときリーダーは、自分の意見を述べることよりも、
メンバーの発言を聴く側にまわることが大事です。
たとえリーダーの考えとは違う意見が出たとしても、
否定せずにまずは聴く姿勢を意識すること。
リーダーの聴く姿勢は、ご自分の思考の枠を広げるだけでなく、
メンバーへも良い影響を与えます。
続けることでチーム内には、自由に意見が言い合える風土が醸成されていきます。

コミュニケーションの「量」が確保できたら、次はレベル3。
「質」をいかに上げていくかです。

レベル3 リーダー・メンバーともに、自分の存在価値を感じられる状態

存在価値を感じるとは、「自分の居場所がある」「承認されている」
「自信が持てる」といった感情です。

リーダーもメンバーも同様ですが、
存在価値を感じるには誠意あるフィードバックやアドバイスが有効です。
そして、お互いの良いところを認め合うことが大事です。
リーダーがメンバー本人も気づいていないような良い点などを
フィードバックできれば、メンバーはリーダーに対する信頼を増すことになります。

コミュニケーションの「量」が確保され「質」が上がってくると、
チーム内の相互の理解が一層深まります。

この段階になると抱える業務は難易度を増し、急な状況変化や突発的な事案に対して
チームで協力して対応しなければならない場面がでてきますが、
こうした緊迫した状況では、相手との意見の違いを受け入れられない
といった心理状態になるものです。
このレベルのキーワードは「信頼関係」です。

ここで、目指す段階はレベル4。「立場の違い」を容認することです。

レベル4 リーダー・メンバーともに、お互いの立場の違いを容認できる状態

どんな状況でも、リーダーとメンバーの間では「立場の違い」が存在します。
注意すべきは、立場の違いやそれに伴う意見の相違にフォーカスするのではなく、
その背景や本質を理解し、相手の状況や感情に共感すること。
それによりお互いの立場の違い容認しあう関係に発展していきます。
リーダーはメンバーを、メンバーはリーダーをどんな状態でも受け入れる。
これこそが「信頼関係を構築する」ことと言えます。

そして、究極はレベル5。
共通した理想を描くことです。
共通した理想とは、目指す方向やビジョンを共有化すること。
これらを共有化した組織は強いです。

レベル5 リーダー・メンバーともに、共通した理想を描くことができる状態

意外なことに、レベル5になると言葉を超えた世界になるのです。
言葉がなくても一体感がある究極の段階と言えます。

チームの理想をリーダーとメンバーが共有できるのは最も望ましい状態ですが、
それは レベル1から一つ一つ課題をクリアすることでしか到達できません。

レベル4までクリアしたら、
チームが目指す理想、ビジョン、到達点を再確認してください。
理解度は以前と比較にならない程に深まるはずです。
そこで、あらためて自分たちの理想を語り合い描くことで、
「究極のチーム」の姿に近づくでしょう。

コミュニケーションを強化することが、どのようにチームの成長につながるか、
おわかりいただけたかと思います。
チームが現在どのような状態なのか、どのレベルを目指すべきなのか
に着目することで対応策がかなり具体化されます。
そして一歩一歩レベルアップさせて、
「究極のチーム」を目指していただきたいと思います。

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