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第89回:女性を抜擢する前に知っておきたい女性の特性

川邊 彌生 川邊 彌生

【1】女性登用で陥りやすい罠

今、どこかの国でも首相の任命責任が問われる女性政治家の問題が起こっています。
企業でも似たようなケースはあるのではないでしょうか。

ある企業の女性管理職のケースをご紹介します。
彼女は役員に気に入られ、新設された重要部門の部長に任命されました。
有能な彼女なら、女性であることで新風を吹かせることが出来ると期待されたのです。

しかし、任命されたのは彼女が今までやって来たこととは異なる部門の長。
役員は彼女を昇進させた後、さらに育てたいという思いで、
新女性部長として様々なプロジェクトや会議にも出席させました。
彼女は自部門の知識や情報を十分に得る時間が取れず、またサポートしてくれる
自部門のメンバーと良好な関係性を築くことも出来ないまま、
業務を一人で抱え込んでしまいます。

そして、成果をなかなか出せないまま時間が経っていきました。
段々と彼女に対する社内の不満が、その役員の耳に入るようになります。
役員は、何故、自分が期待をかけて登用した彼女が成果を出せないのか、
徐々に彼女への不信感を持つようになります。

彼女は、役員からのプレッシャーを感じながらも、部下の協力も得られず、
失言やミスが増え、部長としての資質を問う声が社内に上がるようになりました。
結局、彼女は退職を願い出ました。

さて、どうして有能なはずの彼女が、このような結果になったのでしょうか。

【2】女性の特性

理由を考える前に女性の特性を考えてみます。

①昇進するよりも嫌われたくない

一般的に多くの女性が、良い人間関係を構築することを望みます。
そのベースには、女性は子供のときから周囲に
「女性は思いやりがあり利他的な存在であるべき」という期待をかけられ、
自分自身そうでなければならないと枠にはめてしまう傾向があるからです。

昇進して嫌な役割をするよりは、同僚に好かれたいと感じる女性は、
一人だけ飛びぬけて昇進し、しかもそれが上司の特別なはからいであれば
居心地の悪さを感じます。
また、男性が昇進すると「抜擢」と受け止められますが、
女性の場合は「えこひいき」と受け止められるのではないかという懸念を
本人が抱く場合もあります。

組織内でも、男性では特に問題のないことが、
女性であると異なった反応が起きることも多々あります。
それを既に経験し承知しており、気に留めない女性もいますが、
初めて昇進した女性にとってこれは大きなストレスです。

②自信が持てない女性

私のセミナーに参加して下さる女性の多くが
「どうしたら自信が持てるのか」と口にします。
これも女性の大きな特徴なのですが、
一つの理由として、色々なことに気が付き過ぎる女性は、
完璧主義で、完璧に出来るまで自分に自信が持てない傾向があるようです。

非常に真面目に、自分が出来ないことを指摘されれば
それを克服するための勉強に時間を惜しみません。
男性からすれば、知識より実践、と言いたくなるかも知れません。

また、何かを失敗した時に「時が悪かった」「相手が悪かった」と思って
次回頑張ろうと切り替えられる男性に対して、
女性は自分の準備不足や知識不足を責める傾向があります。
上司が、奮起させようと強い言葉で叱咤したりすれば、なおさら自分自身を責め、
過去を反芻し続けて前へ進めなくなる場合もあるのです。

③男性はステップ思考、女性はウェブ思考

女性の脳は感情に関与すると活発に動き、辺縁系が深く広いそうです。
また、人類生物学者のヘレン・E・フィッシャー博士は、
男性には、関連する情報を個別に評価し、不要な情報は切り捨て、
直線的な因果関係に基づいて、情報を分断する傾向があり(ステップ思考)、
女性には、ものごとを一般化し、情報を総合的に扱う、
問題に対してさまざまな要因を関連づけながら、
幅広く統括的な見方をする(ウェブ思考)傾向があると言います。

ひとつの目標に向かって、段階的に効率的に進める男性と異なり、
女性は全体を見ながら直観を駆使し、周りの人と関係構築をしていくことを好むのです。

前述の女性管理職のように、専門分野でない部門に登用された場合、
彼女に必要なのは、その業務を把握する時間であり、
チームの中の人間関係を構築する時間でした。

女性には「抜擢」という形よりは、長い時間をかけて自信を持たせるような
一貫性を持ったキャリアプランを作ることのほうがより適切でしょう。
そもそも女性は会社に入社したときから、
男性よりも組織の中で、上司や先輩と行動をともにしていることが少ないので、
管理職から得られている情報も少ないことが多いのです。

さて、前述の女性管理職は役員と話し合い、職にとどまりました。
問題解決に最も効果があったのは、男性の役員に事情を理解してもらうことでした。
そして彼女には目標を明確にし、完璧主義を止めるコーチングが行われました。

こうお話すると、やはり女性は面倒だと管理職登用に懸念を持たれるかも知れません。
しかし、実際のところウェブ思考の女性は、曖昧な状況に耐えられ、
また直観が働くので、現代の不確実なビジネス環境のリーダーに向いています。
さまざまな働き方が求められる時代、
女性の共感力や協調性が組織には必要であることを信じて、
積極的に登用していただけることを願っていますし、
女性自身にも管理職に果敢にチャレンジしていただきたいと思っています。

引用:
■なぜ女は男のように自信をもてないのか キャティー・ケイ&クレア・シップマン著
■「ガラスの天井」が破れる瞬間―女性の成功哲学― シャロン・レクター著 
■女性が管理職になったら読む本 ギンカ・トーゲル著

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