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ビジネスのプロフェッショナルが次世代エグゼクティブをコーチする
第95回:「良い人材」は社内にいる

夏目 俊希 夏目 俊希

ビジネスパーソンのキャリアに関わる中で、違和感を覚えることがあります。
それは、人事担当者からの「中途採用でなかなか良い人材が採れない」
という嘆きに対するものです。

中途採用には大きく分けて、増員と欠員補充とがあります。
戦力アップを図る増員と、戦力ダウンを補うための欠員補充です。
どちらの場合も、とにかく社外に「良い人材」を求める企業が多いのですが、
「良い人材」は本当に社外にいるのでしょうか。

ある人事担当者に、欲しい「良い人材」の要件を詳細に説明してもらった後、
「その良い人材が、ぜひ入りたいと思う御社の魅力は?」と聞いてみました。
その返答は、それまで理路整然としていたのが嘘のように、
急にたどたどしくなり、まるで準備不足の大学生が、
面接でつまらない自己PRをしているようでした。

実は、多くの企業において「良い人材」が欲しいとする一方で、
自社が「良い会社」かどうかについて具体的に語れない状況が起きています。
極端に言えば、自社が「良い会社」かどうかなど、
考えたこともない人が会社のフロントにいることも少なくないのです。

では、自社が「良い会社」であるかどうかは、
誰に聞けばわかるのでしょうか。

ズバリ社員です。

もし、その社員にとって自社が「良い会社」でなければ、
その社員は会社を辞めるかもしれません。
もちろん、必ずしも自社を「良い会社」とは思っていない社員もいますが、
そんな時は、どうすれば「良い会社」になるのかを聞いてみればいいのです。
耳の痛いこともあると思いますが、
少なくとも「良い人材」に来てもらいたいのであれば、
「良い会社」でなければおかしいのです。

では、「良い会社」とはどんな会社なのでしょうか。
居心地のいい会社、仕事が楽な会社、給料の良い会社等々をあげる人も
いるかも知れません。
自分を成長させられる会社、スキルを磨ける会社、
仕事にやりがいを感じられる会社等々をあげる人もいるでしょう。

前者は会社に対して受身的に求め、後者は自ら能動的に得ようとします。
その定義は人それぞれですが、後者のように自社を公言できる
社員がいる会社は「良い会社」だと言えるのではないでしょうか。

先の人事担当者が外に「良い人材」を求めることへの私の違和感の正体は、
自社が「良い会社」かどうか考えもせず、社員に聞くこともしないで、
ただ「良い人材」を採ろうとしても、うまくいくはずはないということです。
たとえ「良い人材」が採れたとしても、「良い会社」でなければ、
その後、ミスマッチに気づいて辞めてしまうかもしれませんし、
残ったとしても、期待通りには活躍してくれないかもしれないのです。

では「良い人材」はどこにいるのでしょうか。

「良い人材」は社内にいるのです。

例えば、諦めないで、自社を「いい会社」にしたいと思い、
行動している人は「良い人材」ではないでしょうか。
果たしてそのような人がきちんと評価されるような体制に
なっているでしょうか。

我々コーチが請け負うクライアントの多くは
「良い人材」であったり、「良い人材」候補であったりします。
そもそも会社の一翼を担う、
まさに「良い人材」の成長を支援するのがコーチングです。
さらに、実は会社にとって「良い人材」に成り得る可能性のある人に
気づきを与え、成長を加速させるのもコーチングなのです。

現場の営業課長のコーチングをした時のことです。
ある日のコーチングセッションで、本人から、
実はヘッドハンティングにあっていると打ち明けられました。
会社はこれからを担う、
まさに「良い人材」として、この課長を見ていましたが、
本人はヘッドハンターから提案された仕事内容に
興味があるとのことでした。
現場ではなく、本社の営業企画課長というポジションでした。

自社内でその仕事にチャレンジできないのか聞いたところ、
会社は中途採用でこの仕事に合う人材を社外から採ろうとしており、
チャンスはないと思っているとのことでした。

私は、これまでのコーチングを通して、
この課長は大きな成長を遂げていて、会社もそのことを承知していること、
さらにはまずトライしてみなければ始まらないことを課長に伝えました。
結果として、自らを売り込んだ課長の希望が叶い、
異動が実現し、ヘッドハンティングも断ることになったのです。

後に本人が事の顛末を会社に伝えたところ、
私は、「コーチングで社員の成長を促してくれただけでなく、
貴重な『良い人材』の流出を食い止めてくれた」と
会社から感謝されました。

ぜひコーチングを活用して、
社内に多くの「良い人材」を輩出してほしいと思います。
社外に「良い人材」を求めるのは、それからでも遅くはないのです。

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