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人事コンサルタントの選び方
― 良好な関係を築き、有効な成果を引き出せ ―
【第2回】良いコンサルタント、悪いコンサルタントの見分け方

【HR】吉田 寿 【HR】吉田 寿

                                ビジネスコーチ株式会社   常務取締役
                                チーフHRビジネスオフィサー 吉田 寿

                              
◆コンサルタントという職業

世の中に「コンサルタント」と名乗る人たちは、いったい何人ぐらいいるのだろう?
ただ一つだけ言えることは、読者の皆さんがもし「自分も明日から人事コンサルタントをやるぞ!」と決めれば、おそらく誰でも人事コンサルタントを名乗ることはできる。それくらい認定基準は曖昧である。
中小企業診断士や社会保険労務士のような一部の例外を除けば、およそコンサルタントという職業に明確な認定基準も資格基準も存在しない。もちろん、免許制ではない。だから、世の中にはコンサルタントと名乗る輩が跋扈しているのが実情である。
だからこそ、自分の会社の大事を任せる外部コンサルタントの選定には、くれぐれも注意が必要となる。プロのコンサルタントとは、日々、コンサルティング・プロジェクトをさながら“千本ノック”のように受け続け、文字通り「修行」や「修練」を積んだ結果として「なれる」ものなのだ。今回は、そんな話にフォーカスしたい。

 

◆コンサルタントの選定眼を磨く

検討の俎上に上がっているコンサルタントが良いコンサルタントか、悪いコンサルタントかは、依頼の際に見極めることが最大のポイントである。ここで依頼する際の判断がいかに重要かを物語るケースを少し見ておこう。

(1) ある部品メーカーの話
かれこれ数年前のこと。春先に1本の電話が入った。相手は、大手部品メーカーのA社。話の主旨は人事制度改革である。外資系も含めて数社のコンサルティング・ファームに声を掛け、依頼先を探しているという。
先方に出向いて具体的な話を聞いてみると、その依頼内容は多岐にわたっていた。欧米や東南アジアへも事業展開しており、グローバル戦略のなかで人事制度改革を検討していたのである。
先方の関心事は、特に管理職層の職務内容と報酬水準にあった。人事制度改革に関する手法論については、集められたコンサル会社の間にさしたる優劣の差はなかった。そこで関心は、業界トップ・レベルの職務基準の整理と報酬水準の設計が実現できるか否かに向けられた。当社としては、職務基準の整理についてはおよそ問題がなかったが、A社が属する業界の競合他社の給与データについては入手の見込みがなかった。筆者は即座に「その部分については、ご期待に添えません」と答えた。実際にできもしないことを「できる」と言ってしまうのは、コンサルタント倫理にもとることだからである。
結局、当社は最後の2 社までは残ったが、コンペの結果は敗退。採用されたのは、先の部分に対して「当社ならできます」と回答した他社だった。少し悔しい思いもしたが、「縁が無かったものと諦めよう」と気持ちの整理をつけた。
だが、話はこれで終わりではなかった。それから半年ほど経った頃、A社の担当からまた電話が入った。聞けば、コンサル会社を当社に切り替えたいと言う。理由はこうだった。競合他社の報酬データについては、いくら待っても出てこない。プロジェクトを統括しているリーダー・クラスのコンサルタントは超多忙で、定例ミーティングにもほとんど顔を出さない。プロジェクト・メンバーの若手コンサルタントからは、ロクなアウトプットも出てこないと、話を聞けば実に惨憺たる様子だった。
当社がプロジェクトを引き継いだのはその年の12月。新制度の導入は、翌年の4月を予定していたから、わずか4ヵ月で新制度をひと通り形にするという荒業をやってのけることになった。

(2) コンサルタントの選定基準
この事例の中には、コンサルタント選定基準に関する示唆がいくつか含まれている。この事例での教訓も含めて、図表1にコンサルタントを見分ける際の主なチェック・ポイントを掲げておいたので、ぜひ参考とされたい。

【図表1】 consul 2-1

 

◆良いコンサルタントはプロセス志向

良いコンサルタントとは、プロセス志向である。今、人事コンサルティングの世界で重要なのは、制度の構築から導入・定着化に至る全プロセスにフル・コミットし、それぞれのフェーズにおいて、クライアントのニーズに的確に応えていくことである。これは、ある一定のパターンに構造(ストラクチャー)化 された世界ではない。非定型・非構造化(アンストラクチャー)の世界なのである。
だから、これから人事コンサルタントを目指す者は、近視眼的に制度構築のテクニック論に走る必要はない。その会社の評価基準の内容を巡って詳細な検討が必要であれば、十分な時間を費やして、ワーキンググループや社内検討会での討議を重ね、評価基準を練り上げればいい。制度の導入・定着化のために評価者トレーニングが必要なら、制度の詳細について一番よく心得ている担当コンサルタントが、研修の講師を務めればいい。制度を真に機能させるために、社員のモチベーションの向上が必須であれば、自分自身がモチベーション・コンサルタントに大変身すればよいのだ。

 

◆良いコンサルタントの思考・行動特性

いつも成果を上げ続けているコンサルタントは、次のような特性を持っている。

(1) 透徹したプロフェッショナリズム
まず、良いコンサルタントとは、言うまでもなくプロである。これは、顧客への提供価値を第一義と考え、常に顧客期待に的確に応えることでその対価としての報酬を得る。自らが設定する高い倫理基準や価値基準に基づいて行動し、成果への執念を絶やさない。まさに「鉄の意志」の持ち主だ。

(2) 徹底した顧客志向
時に、「このコンサルティング・フィー(契約金額) では、これ以上はできません」と顧客に申し開きをするコンサルタントを見掛ける。しかし、そのようなコンサルタントは、本当の意味で顧客の利益を考えていない。もちろん、プロジェクトの採算を度外視してまで顧客に尽くせと言うつもりもない。しかし現在、クライアントが求める最大のニーズは何かと謙虚に耳を澄ませ、感性を磨いて対処していく姿勢がことのほか重要なのである。

(3) コミュニケーション欲求度の高さ
コンサルタントによっては、顧客とのコミュニケーションを図ることに苦手意識を持つ者もいる。しかし、良いコンサルタントは、顧客との良好なリレーションを構築するために、良質なコミュニケーションをとることに余念がない。つまり、コンサルタントの質は、コミュニケーション欲求度の高さに比例するものなのである。

(4) 飽くなき向上心
コンサルタントは、飽くなき向上心の持ち主でなければならない。これは、コンサルタントを職業とするすべての者に共通して言えることである。こと人事の分野に限っても、新たな課題や企業人事の関心事が出てくるものだ。その都度、短期間でそれらを習得し、自分たちの血や肉に変えていかなければならない。

(5) 人間力の高さ
良いコンサルタントの究極は、「人間力」の高さに依存する。人間力とは、一言では表現し難いものだが、いわばトータル的な人間としての魅力度のことである。「会社の大事をこの人に任せよう!」とクライアントに思わせる人としての総合的な力である。確実に言えることは、良いコンサルタントは、この人間力が明らかに高いのだ。
以上のポイントを簡単な式で表せば、図表2のようになる。もし今、外部のコンサルタントの活用を真剣に検討中の読者がいたら、まずは今回の話をぜひ参考にしていただきたい。

【図表2】
consul 2-2

 

※第3回は、「良いクライアント、悪いクライアントの分岐点」です。

【ご案内】5月23日(木)「人事コンサルタントの選び方」セミナー開催
     ⇒ https://www.businesscoach.co.jp/seminar/s190117_jc.html

 

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