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事例紹介

【日清食品株式会社様】1on1を通じた人材育成に期待

日清食品株式会社

日清食品 営業本部 営業戦略部 部長 深井雅裕 氏
日清食品 営業本部 営業戦略部主任 大西剣之介 氏(日清食品ホールディングス 人事部 人材開発室 主任と兼務)

ビジネスコーチ お客様に聞く(1on1コーチング、クラウドコーチング) 
ー 日清食品株式会社 ー

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日清食品 営業本部 営業戦略部 部長 深井雅裕 氏、同部 主任 大西剣之介 氏、(大西氏は、日清食品ホールディングス 人事部 人材開発室 主任と兼務) に同社の1on1ミーティングの取り組みについて詳しくお聞きしました。
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日清食品株式会社について

日清食品株式会社は、即席めんを主力商品とする世界的な食品会社の一つです。日清食品グループの年商は4957億円(2017年3月期)。従業員数11,710名を擁するグループの中核会社です。近年はBRICSを中心に海外事業も積極展開しています。(※ この事例に記述した数字・事実はすべて事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています)
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企業大学の研修と、1on1ミーティングの推進支援を、ビジネスコーチに依頼

Q.日清食品はビジネスコーチにどんな業務を依頼していますか。
ビジネスコーチには「日清食品ホールディングス(日清食品グループ)」、「日清食品」のそれぞれから、コーチングおよびコンサルティングの業務を依頼しています。概要は次のとおりです。

日清食品グループ(日清食品ホールディングス)での依頼業務
日清食品グループは2015年に、世界で戦える人材を育成するための企業内大学「グローバルSAMURAIアカデミー」を創設しました。「負けず嫌いな骨太人材」を選抜し、自ら学び成長する、そして後進を育て引っ張っていく次世代グローバル経営人材の育成に注力しています。アカデミーの構成は次の通りです。

コース 対象 対象(補足)
「エグゼクティブ編」 役員
「骨太経営者編」 次期幹部人材 (次長・部長・役員)
「侍編」 ミドル基幹人材 (課長・係長)
「若武者編」 若手~中堅選抜人材 (6年目~主任)
「カタリスト編」 次期管理職候補人材 (女性主任・係長)

研修内容は「コーチング」「メディアトレーニング」「クライシストレーニング」「プレゼンテーション」「メディア対応」「リベラルアーツ」「リーダーシップ」「戦略思考」など多岐にわたっています。

ビジネスコーチにはこのうち、「コーチング」の部分を依頼しています。

日清食品での依頼業務

グループの中核事業会社である日清食品では、現在、社内で1on1ミーティング(以下 必要に応じて「1on1」と記述)を強力に推進しています。実施概要は次のとおりです。

項目 内容 補足
対象部署 営業部、マーケティング部 約300名
実施形態

課長・所長は月1回、30分をとってすべての部下とミーティングを行う

課長・所長1人あたりの部下数は3名~10名程度
実施強制度 「義務に近い推奨」
人事考課との関連 上司のみ「あり」 -上司:部下育成の評価項目の参考情報
-部下:なし

(深井様):図内にあるとおり、1on1の実施状況および内容は、「人事考課との関連あり」となっています。これは私たちの「本気の現れ(あらわれ)」と解釈いただいてかまいません。

私は現在、営業戦略部長という役職ですが同時にこの社内ミーティングの推進役でもあります。大西は、もともと日清食品ホールディングスの人事部所属でしたが、現在は「兼務」という形で、日清食品の営業戦略部およびマーケティング部に籍を置いています。私たち営業戦略部の2名が1on1の、いわゆる「旗振り役」です。

ビジネスコーチには、この1on1推進のための研修やコンサルティングを依頼しています。
本日は、後者の「事業会社 日清食品での1on1の取り組み」を中心にお話しいたします。

1on1に着目した理由

Q.日清食品がミーティングに本格的に取り組むことになった経緯、目的を教えてください。

(深井様):1on1の推進は大きくは、「中期経営計画の目標である『2020年までに時価総額1兆円』を達成するための取り組みのひとつ」と位置づけられます。

現在、日清食品グループは2017年期に最高益を達成するなど、足下の業績はおおむね好調です。時価総額も現在、約8500億円であり、目標に向かい着実に前進しています。この目標必達のエンジンとして「1on1を通じた人材育成」があるわけです。

あくまで個人的見解ですが、私は次に挙げる5つの視点に基づき「1on1は有効」と考えています。

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1.「ただ動くだけでなく、考え、内省する人材を」
        ~ PD・PDからPDCAへ

2.「市場環境の激変への対応」
        ~ 流通構造、消費者の嗜好、すべてが変わる

3.「商品力は、営業上の強みであり弱み」
        ~ カップヌードルを世界的にブランドに

4.「上司と部下の関係の質の改善」
        ~ 飲みニケーションで信頼関係が築けると思っているのは上司だけ

5.「ひとりひとりの内省の質の向上」
        ~ 対話の効果

視点1.「PD・PD」からPDCAへ

Q.視点1.「ただ動くだけでなく、考え、内省する人材を ~ PD・PDからPDCAへ」とは具体的には。

自画自賛で恐縮ですが弊社の営業部員は、「行動力」は非常に高いと思います。ここに商品がある、いついつまでに、これだけの数量を売らなければならない、さあいけヨーインドン!と号令がかかれば、みな一斉に走り出すわけです。中堅、シニア社員の多くにとって、そのやり方は、実はけっこう「性に合って」います。

しかしそんな「走る」だけの営業には、「(走る方向が正しいかどうかの)内省を欠いている」という弱点があります。これを私はPDCA(PLAN, DO, CHECK, ACTION)のうちCAが欠けている状態、つまり「PD・PD」の状態と呼んでいます。「PLAN(目標を決める)・DO(動く)」をひたすら繰り返すわけです。

CHECKは一応ありますが、それは「数字が達成できたかどうか」という単純な点検です。真の意味でのCHECK(検証、内省)、つまり「なぜ上手くいかないのか?」、あるいは「なぜ上手くいったのか?」「ほかの方法もあったのではないか?」を深く考えるには至っていません。

走ることは重要です。行動なくして数字は上がりません。しかし、そこに「検証と内省」を加え、「PD・PDからPDCAへ」移行し、営業力をさらに高めたい。強力な行動力、柔軟な発想、緻密な検証力を同時に備えたい。それを実現するためにも、1on1という「深く考える場」が必要になります。

視点2.「前提がすべて変わる」

Q.視点2. 「市場環境の激変への対応 ~ 流通構造、消費者の嗜好、すべてが変わる」とは。

(深井様):私は日清食品に入社し30年近く営業畑を歩み続けてきましたが、最近、痛感するのは「この5年間で『市場の前提』が激変した」ということです。

食品会社の営業は、基本的にスーパーやGMSなど流通企業に働きかけます。私が入社した30年前からつい最近までの20数年間、流通の業界構造は、大きくは「存在感のあるスーパーが各県にある」というものでした。好不況の波はあれども基本構造は不変であり、我々もそれを「暗黙の前提」にして営業していました。

しかしここ数年で、地方の流通会社では統廃合が急進展し、大手流通でも地方の拠点数を大幅に削減し、「調達・購買は大都市にある本社が取り仕切る」ようになりました。

これはほんの一例で、その他、多くの「前提」が変化あるいは消滅しています。この動きは次の5年でさらに加速するでしょう。この変化の中では、「過去の前提に基づく成功体験」は有効性が少なくなります。新たな前提に対応して、柔軟に発想、方法、対応を変化させる必要があります。それを実現するためにも、上司は1on1を通じて部下との関係性の質を高め、チーム全体で新たな発想、行動体系を創発する必要があります。

視点3.「『強い商品』の一長一短」

Q.「商品力は強みであり弱み ~ カップヌードルを世界的なブランドに」とは。

日清食品が「突っ走る」スタイルの営業で、ここまで成長できたのは、「カップヌードルという商品の強さ」に依るところが少なくありません。カップヌードルは非常に「存在感の強い商品」であり、だからこそ従来の販売方法でも成果を上げられました。

しかしここで注意すべきは、「その方法が通用するのは国内市場だけ」ということです。カップヌードルのブランドは海外市場でも一定の存在感はあるものの、日本国内ほど強くありません。

日清食品グループの海外売上げ比率は現在、約24%です。そしてこれから日本では人口が減る、つまり胃袋の数が減ります。それでも会社を成長させるには、海外の売上げを伸ばすほかありません。しかし海外では「カップヌードルが強い商品であること」を前提とした直線的な営業「だけ」では限界があります。 日清食品は創業者 安藤百福が世界初の即席めん「チキンラーメン」を考案して設立した会社です。常に「新たな価値を作り出す側」の企業である弊社は、今後、その価値創出を世界レベルで巻き起こさなければなりません。

しかし食品の嗜好には「結局は食べ慣れたものがいい」という保守性があります。海外で日本流を押し通しても通用しません(わたしはタイに3年間、赴任したときそれを痛感しました)。変革を打ち出しながら万人の舌に受け入れられる、この矛盾する状態を実現していく必要がありますが、それは突撃営業だけでは困難です。

新商品を考えるのも、新しい売り方を考案・実行するのも、すべて「ひと」です。社員一人一人を自力で発想、行動、内省できる「個」として確立させていく。1on1はそのためにあります。

視点4.「飲みニケーションで信頼関係が築けると思っているのは上司だけ」

Q.視点4.「上司と部下の関係の質の改善 ~ 飲み会で信頼関係が築けると思っているのは上司だけ」とは。

1on1の導入を社内に提案したところ、管理職から反発の声が上がりました。「会議をしているからいい」、「飲み会をしているから大丈夫」、「だから1on1のような面倒くさいことはやらなくていい」と。

しかし実は、「飲み会で信頼関係が築けている」と思っているのは上司だけです。厳しく言えば飲み会とは、「部下とコミュニケーションを取っている自分」を上司が自己確認するために行うもの、つまり飲み会では「上司が主役」なのです。

一方、1on1では、「部下が主役」です。社内でも管理職には、「1on1は部下が主役の場であり、みなさんが説教する場でも部下に報告をさせる場でもない」と強く伝えています。

1on1については、コーチングを受ける部下の方に毎月アンケートを取っており、回答にはすべて目を通しています。最近、嬉しく思うのが、「信頼関係が深まった気がする」という回答が「部下の方から」出るようになったことです。1on1を推進する側にとって手応えのある回答です。

視点5.「堂々巡りではなく、前に進める思考を」

Q.「内省の質の向上 ~ 対話の効果」とは。

私自身も、会社の『グローバルSAMURAI(骨太経営者編)』研修で、ビジネスコーチからコーチングを受けた経験があります。コーチから質問される。それに答え、自分の考えを発話する(声に出す)、この繰り返しの中で自分の頭が整理され刺激され、そして新たな気づき、発想、行動指針を【自らが】産み出せるようになります。コーチから答えが渡されるのではない、あくまで自分で答えを編み出す。主役は「自分」なのです。

これは「ひとりであれこれ考える」よりずっと良いと思いました。ひとり黙って考え込むとき、頭の中で情緒的でとりとめのない言葉ばかり渦巻くことがあります。それは「考えている」というより、「思い込みを強めている」だけの状態です。しかしコーチングの場では、目の前の他人に発話しなければいけません。他人に発する言葉である以上、ある程度は「まとまった言葉」にならざるを得ません。

その発話に対しコーチが適切な質問、コメントをすることで、最初は予想もしていなかった発想にたどりつけることがある。そんな体験を重ねることで、コーチされる側(部下)とコーチ(上司)の間に信頼感が生まれ、関係の質が深まるのです。

このように「健全な緊張感のある対話を通じて、信頼関係を深める」ことは飲み会では実現しにくいといえます。飲み会とは本質的に「盛り上がるための場」であり、「対話を通じた内省」には不向きだからです。また「会議」という場も、本質的には「目の前の業務について『集団』で議論する場」であり、「個人の内省」にはなじみません。それを実現するにはやはり一対一の真剣な対話の時間を持つべきです。

「何のトクがあるのか」を説明する

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Q.1on1を社内に浸透させるためにどんな工夫をしていますか。

まず社員に1on1を説明するときは、「それをやれば自分に何のトクがあるのか」を主軸に説明するよう心がけています。

コーチングを受ける側の「部下」に対しては:
「それは君たちの成長の場である」、
「また自己アピールの場でもある(人事考課に関連がある)」、
「だから積極活用しないのはもったいない」、
という旨を伝えています。

一方、上司に対しては:
「もはや、昔のように突っ走る行動力だけでは立ちゆかない」、
「上司は、部下が自ら発火し自ら行動するよう、仕向ける必要がある」、
「大事なのは『部下が自ら』ということであり、それは飲み会や説教では実現しない」、
「だから1on1という場がある。1on1の場で部下との関係を深めてほしい」、
「それは結局、自分の部署の目標達成につながる。つまり最後はみなさんが楽になるのだ」
という趣旨の説明をしています。

しかし、その説明で理解してもらったとしても、実際に1on1を行ってもらうには、まだ「壁」があります。

とにかく「型」から入ってもらう

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Q.どんな「壁」があるのでしょうか。

(深井様):1on1なんてものは、やる側の上司にしてみれば照れくさいというか、小っ恥ずかしいし、どうして良いか分からないというか、要は「ガラじゃない」わけです。その気持ちは昭和41年生まれの私にはよくわかります。

そこで管理職には「1on1の質問スクリプト」を配りました。照れくさかろうがガラじゃなかろうが、スクリプトの棒読みでもかまわないので、「コーチング」なるものをとにかくやってくれ、まずは型から入ってくれ、ということです。

これ以外にも1on1の社内浸透のために重要なことがあって、それはとにかく「1on1」という言葉を言い続けることです。何かにつけて1on1、どんな場所でも1on1としつこく言い続け、取り組みを印象づける、これはバカバカしいようで実は重要なことです。

日清食品の1on1はまだ始まったばかり、まったくもって「道半ば」です。旗振り役である私たちがあきらめたら、そこで全てが終わりになります。何があってもめげずに、1on1を連呼する、その重要性を口を酸っぱくして社内に言い続ける。この優れたメソッドを何が何でも社内に浸透させ、日清食品の人材育成力をさらに高みに引き上げたい。強くそう思います。

ビジネスコーチには引き続き、優れたコンサルティングと研修を通じて、日清食品の1on1推進を後方支援いただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。

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