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第20回:専門職のリーダーシップ開発とアップルの共通点

青木 裕 青木 裕

私のキャリアのスタートがシステムズエンジニア(SE)だったということもあり、2006年に弊社に入社した当時からITエンジニアの方々とはよくお付き合いがありました。

 最近ではITエンジニアだけではなくいわゆる専門職といわれる製造業のエンジニア、製薬会社の研究職、弁護士、公認会計士などの方々とも交流が増え、そしてリーダーシップについてもご相談をいただく機会がとても増えています。

 そこでの課題は端的に言うと、対人関係力を向上させたいというものです。

 対人関係力といっても、コミュニケーション力を磨くという基本的なものから、他の人とともに目標達成できる携る役職にふさわしいリーダーシップ力を身につけさせたいというものまで幅広く含まれています。

 これまでも専門職の対人関係力を向上させたいという課題はあったようですが、仕事の進め方が時代とともに大きく変わったことで、  いよいよ看過できない課題となってきているように感じます。

 専門職として専門領域に閉じこもって見識・見解を述べれば良いという時代から、異分野の専門職やビジネスをつくる人たちと協力しながら共通の課題を一緒に解決することが大きく求められる時代になってきているということです。
 専門職からビジネスのパートナーへ。

 言い換えると、受動的な課題解決の支援から能動的な課題発見と課題解決へと役割がシフトしています。

 野中郁次郎氏(一橋大学名誉教授)から
 『多様な視点から「リーダーシップの実践知」を凝縮した一冊』
 と推薦をいただき、弊社で監訳した書籍に
 「リーダーシップ・マスター」(英治出版:7月10日発売)があります。
 

 同書には、「弁護士をリーダーとして育てる」という章がありアメリカのノースカロライナ州にあるイーロン大学法科大学院におけるリーダーシップ開発プログラムの取り組み事例が紹介されています。

 具体的な取り組み内容は本書の解説に譲りますが、そこには、リーダーシップ開発プログラムが導入された背景について、  次のような記述があります。

 「リーダーシップ開発に一番縁遠いはずの弁護士や弁護士事務所も、いまやコーチングの導入を検討し始めている。
 (中略)
 クライアントは弁護士に、単なる法的アドバイスだけではなくビジネス問題の解決にも手を貸してほしいと望んでいるのだ。
 こうした変化によって弁護士にはチームを組んで仕事にあたる必要性が出てきた。」
 ※書籍:「リーダーシップマスター」(英治出版)P.300より引用

 協働する術を身につけていない専門職は、クライアントの視点で見るとまるで家にある使わない(使いこなせない)機能ばかりのケータイ電話のような存在になってしまいます。

 対極にあるのが、iPhoneです。

 iPhoneは、直感的でシンプルで2歳の子供でも使える操作性がありました。
 なぜiPhoneだけが、あの操作性を最初に生み出せたのか?
 故スティーブ・ジョブズがアップルのミッションとして掲げていた「テクノロジーとリベラルアーツの交差点」になるという思想があります。
 ※2011年 iPad2の講演で同スライドが使われている
  (1:08:30辺りから)。
 http://www.youtube.com/watch?v=TGxEQhdi1AQ
テクノロジーに人が合わせるのではなくテクノロジーを人に合わせる。
 専門職も自分の持つ高度な知識・技能(テクノロジー)をクライアントやチームのメンバーに合わせていく。
 これからの専門職は、人(クライアント)に共感し、クライアントが望む課題解決を能動的に支援できたときクライアントは初めてiPhoneを使ったときと同じような感動を覚えるのではないでしょうか。

 

執筆者プロフィール
青木 裕(あおき ゆう)

ビジネスコーチ株式会社 執行役員
BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ

明治大学卒業後、システム開発会社に入社。プログラマーとして現場でプログラミングからスタートし、SE、プロジェクトリーダーなど主に一部上場企業で使われる Web系の業務アプリケーションの構築に従事する。 2006年、ビジネスコーチ株式会社に参画。マーケティング マネージャー、 スクール事業部 部長を経て、2012年より現職。 2012年、ビジネスコーチ アジア設立に伴い、取締役を兼務。

■実 績
卒業後 プロジェクトリーダーとして、プロジェクト運営にビジネスコーチングを導入し顧客との要件定義やプロジェクトメンバー内のコミュニケーションのロスを劇的に減らし、システム開発における生産性向上を果たす。

現在は主にSierや事業会社の情報システム部を対象にした、
管理職研修や一体感をつくるチームビルディング研修を実施。 また、メーカーの設計開発部、製薬企業研究所のなどエンジニア(専門職)も多数。

執筆に、Webの連載コラム『成功するITマネージャーの「人づきあい術」』(ITmediaエンタープライズ)がある。

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