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人事コンサルタントの選び方
― 良好な関係を築き、有効な成果を引き出せ ―
【第1回】活かすも殺すもクライアント次第

【HR】吉田 寿 【HR】吉田 寿

                                ビジネスコーチ株式会社   常務取締役
                                チーフHRビジネスオフィサー 吉田 寿

【筆者から】 今回から6回にわたり「人事コンサルタントの選び方」をテーマに短期連載を開始します。読者の皆さんも秘密のベールに包まれた(?)人事コンサルタントの実態や内幕がどんなものか、しばしお付き合いをいただければと思います。


◆人事コンサルタントが必要な理由

かつてシモーヌ・ド・ボーヴォワールは、その著書『第二の性』の冒頭で、「人は女に生まれるのではない。女になるのだ」と言った。この伝で言うのなら、さしずめ「人は人事コンサルタントに生まれるのではない。人事コンサルタントになる」のだ。

これまで人事分野のコンサルタントとして生業を立ててきた。既に30年の歳月が流れたが、筆者自身、日々の業務に忙殺されながら、好きとか嫌いとか言っている暇もないままに、いつの間にか人事コンサルタントになってしまったという実感が強いのだ。

昨今の人事部門のテーマは、言うまでもなく「経営革新と人事」だ。従って、従来型の人事業務をただ踏襲してみたところで、人事革新を通じた経営革新や企業変革の実現という、差し迫った経営課題の解決に資することになるはずもない。つまり、これまで通りの人事業務を社内でただ生真面目に粛々とこなすだけでは、何の変革もイノベーションももたらすことはできない。そこで、外部の力が必要となる。人事コンサルタントの出番である。

 

◆「戦略的人材マネジメント」への対応はできているか?

周知の通り、近年、アングロサクソン系の経営改革手法や経営革新を標榜するさまざまな横文字・カタカナ経営コンセプトが矢継ぎ早に紹介され、一時期、日本の企業もこれらの導入に血眼になった。しかし、これらの経営的アプローチを人事処遇や人材の活用と密接に結びつけ、具体的な実行を伴って戦略的に活用していく必要性があることに、先進的な人事部は既に気づいている。

「経営」と「人事」という、この両者を結びつけていくために、人事部ないしは人事スタッフは、これまでの人事の既成概念から脱却し、一段の進化を遂げて、企業経営にとって真の戦略パートナーとしての地位を確立していくことが求められている。

このような流れは、これまでの単なる「人事管理」的発想から「戦略的人材マネジメント」(SHRM; Strategic Human Resource Management」へのパラダイム・シフトを意味している。ここで言う戦略的人材マネジメントとは、経営戦略と人材マネジメントを有機的にリンクさせ、経営戦略の実現や企業競争力の向上のために人材を戦略的に活用することに他ならない。「経営人事」の視点が何よりも重要ということである。

その際、コンサルタントやコンサルティング・サービスの本質的な使命とは、「戦略実現のためのソリューションの提供」にある。このようなミッションを全うできるコンサルタントを選び活用することが、クライアントにとっての利益実感であり、そのようなスペシフィックな状況の中で真に求められるサービスを実現することが、コンサルタントにとっての提供価値となる。

従って、本来的意味での人事コンサルタントの定義とは、「クライアント企業の経営戦略や企業変革の実現を人事・人材の側面から強力に支援するサポーター」となるだろう。

 

◆人事コンサルタントの探し方

このように、コンサルティングの王道をわきまえておくことは重要だ。とはいえ、読者の皆さんが人事コンサルタントを必要とする場合には、実にさまざまなパターンがあることも事実だろう。コンサルタントの探し方を知っておく必要がある。

コンサルティングを必要とされる方の立場によっても、依頼されるコンサルティングのテーマは実際に異なってくる。例えば、ある情報提供サイトでは、人事業務を支援するパートナーを150社近くも紹介している。とりあえず自社で懸案とされている課題が何かによって、このような情報サイトにアクセスし、サービス提供機関やコンサルティング・ファームを調べてみるのも一案だろう。そのあとで、コンサルティング会社の個別のホームページにアクセスしたり、資料を請求したり、場合によっては具体的なプロポーザル(提案書)を求めたりしてみるとよい。

  • 採用、②配置、③評価、④報酬、⑤教育、⑥就業、⑦代謝(退職)という一連の流れ

を「人材マネジメント・フロー」と呼ぶが、人事コンサルタントや人材マネジメント・コンサルタントとは、人事が持つこの7つの機能のそれぞれに対して、各々コンサルティング・サービスを提供する者のことを指す。例えば、人事コンサルタントが提供するコンサルティング・メニューは、図表1に掲げるような内容となる。

【図表1】consul 1

 

◆人事制度改革を円滑に進めるために人事コンサルタントを活用する場合 

 それでは、ここで「人事コンサルティングの代表例」として、人事制度改革プロジェクトを採り上げ、コンサルタント活用のポイントを示しておこう。

(1) 設計はコンサルタント、運用は全社を挙げて
まず制度構築や運用を円滑に行うためには何が重要か。コンサルタントの活用を前提とすれば、制度自体の新規設計は容易に可能と言えるだろう。このあたりは、手慣れた外部のコンサルタントを活用する最大のメリットである。
一方、実際の制度改革を想定した場合、制度自体の設計よりも、そのプロセスにおけるきめ細かな配慮や実行の的確性が、制度の成否を大きく左右する重要なポイントとなってくる。例えば、新制度の構築段階においては、できるだけ多くの社内関係者のプロジェクトへの関与を促す。改革にインボルブ(関与・参加)する人たちを増やすことで、制度改革の主旨や意義をできるだけたくさんの社内関係者に理解してもらい、主体性と自主性をもって取り組んでもらうためである。

(2) プロジェクトメンバーの人選もポイント
新しい人事制度を構築していく上での社内体制の整備も、重要なポイントの1つである。
例えば、通常我々が人事制度改革コンサルティングを担当する場合には、クライアントの社内に組成されるプロジェクト・チームとのコ・ワーク体制を構築する。この場合、コア・メンバーとなる人事部門のスタッフに加え、各部門の責任者クラス、そして参加が可能であれば労働組合幹部の方々なども必要に応じてメンバーに加え、新制度の概要やプロジェクトの進捗状況などを適宜フィードバックする。このような配慮は、導入準備段階での新制度に対する理解促進や、導入後の運用段階での現場への速やかな理解浸透にも資することとなるからである。

 ◆丸投げから脱し、良好な関係を築くには?

最後に、コンサルタントも決して万能ではないという点を深く認識して、企業側もコンサルティング・ファームとの付き合い方を工夫すべきである。
単純に「プロに任せたのだから・・」と丸投げにせずに、社内の人的資源の状況やプロジェクトに関わる社内スタッフの力量などもきちんと把握して、コンサルタントとの距離や間合いを考えるべきである。同時に、外部リソースとしてのコンサルタントとどうすればベストな形で協働し協創できるかを常日頃から真摯に考える姿勢も、企業側に強く求められるところである。

クライアントとコンサルタントとの良好な関係の構築は、結局そんなところから始まるものと言ってよい。つまり、活かすも殺すもクライアントの力量次第。コンサルティングを依頼する側は、このことを肝に銘ずるべきなのだ。


※ 第2回は、「良いコンサルタント、悪いコンサルタントの見分け方」です。

【ご案内】523日(木)「人事コンサルタントの選び方」セミナー開催
 ⇒ https://www.businesscoach.co.jp/seminar/s190117_jc.html

 

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