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株式会社百十四銀行
(クラウドコーチング・マイコ)
クラウドコーチング・マイコを導入した今年はメンタル不調による離職者が出ていません
クラウドコーチングを導入した今年はメンタル不調による離職者が出ていません
クライアント企業情報
株式会社百十四銀行
国立銀行条例の公布後、全国に153の国立銀行が設立された際、114番目に出願許可されたのが前身の第百十四国立銀行。現在、数少ないナンバーバンクの一つが百十四銀行です。香川県と岡山県を中心に124店舗(本支店103、出張所21)を構え、地域のリーディングバンクとしてお客様や地域社会の発展とともに歩み、今日の基盤を築いています。創業 1878年(明治11年)11月、資本金 373億円、総資産 4兆9,686億円、総預金 4兆2,446億円(譲渡性預金を含む)、従業員数 2,250名(2019年9月30日現在)
(※事例に記述した数字・事実はすべて事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています)
ご担当者様
人事部 人材開発グループ グループ長 岡内 徹郎氏
人事部 人材開発グループ 調査役 岡 誠氏
お客様の課題・ご要望
- ・新入行員の離職防止
- ・新入行員のメンタルケア
ビジネスコーチの提案・サポート
-
・クラウドコーチング・マイコ
96人の新入行員にクラウドコーチングを導入
Q:御行ではクラウドコーチングをどのように運用していますか。
2019年度の新入行員計96名の研修にあたり、フォローアップツールとしてビジネスコーチのクラウドコーチングを導入しました。詳細は以下の通りです。
項目 |
内容 |
受講対象者 |
新入行員96名 |
期間 |
9カ月(2019年7月~2020年3月末まで) |
行動目標の設定 |
新入行員各自で作成 |
コーチ |
ビジネスコーチが選定したプロコーチ |
ビジネスコーチ(株)からクラウドコーチングの説明をしていただきました。毎日振り返る行動目標は、自分が継続して続けられる具体的な行動を重視。そのうえで、新入行員各自、自由に設定してもらいました。実際に新入行員が設定した行動目標とクラウドコーチングの運用については以下の通りです。
◎新入行員が設定した行動目標
・「尊重の念」を持って相手に問いかける ・言い訳ばかりしない ・言ったことは、やる(言行一致) ・自分と小さな約束を課し、必ず実行する ・誰も率先してやらないことを、自ら引き受ける。 ・自責型の人間になる。失敗を他人のせいにしない ・ネガティブな言葉を発さない ・できるわけない…と最初から否定せず、可能性を考える ・思いついたことをメモに取る ・「気づき日記」をつける ・朝、新聞を読む ・ストップウォッチをつけて、40分以上勉強する ・今日使ったお金を振り返る ・始業前後に整理整頓をする ・報連相をすぐにする ・毎日5人以上に話しかける。 ・先輩・上司に頼まれた時、すぐに行動にうつす ・定時に退行できるよう時間配分を考える ・毎日1つ新聞記事を要約し、ノートにまとめる。 ・自分からあいさつをきちんとする ・バスでの通勤の間に日経コラムを1つみる ・毎日1分瞑想する |
・本に2回触る。 ・革靴を磨く ・落ちているゴミを拾う ・不安に思ったことを書き出してみる ・毎日誰かの良いところを1つ発見する ・電話に1番に出る ・「結論から申しますと」を意識する ・毎日19時に手帳もしくは、携帯を見て自己管理する。 ・忘れないように付箋にやることを書いて必ず見る場所に貼っておく ・帰宅後Yシャツの襟を洗う、弁当箱・水筒を洗う ・離席の際は必ず机を綺麗にする ・1日10回「ありがとう」と言う ・その日支店で使ったタオルは畳んで片付ける ・「まあいっか」を言わない ・ハサミやホッチキスなど使った場合、後回しにせずすぐに元の場所に戻す |
◎クラウドコーチングの運用
1.新入行員は各自が設定した行動目標を毎日チェック(振り返り)
2.新入行員は毎週末、振り返りコメントをクラウド上からフォローアップコーチに提出
3.振り返りコメントに対し、フォローアップコーチがクラウド上からコメントバック
フォローアップコーチは新入行員をフォローするプロコーチです。新入行員からの振り返りコメントに対し、フォローアップコーチが良き相談相手となって本音に寄り添うコメントバックを行います。
離職防止のメンタルケアと行動定着の検証体制を構築したい
Q:御行における新入行員教育の課題をお聞かせください。
2つの課題がありました。1つは離職防止です。当行は毎年70~80名程度の新入行員を採用するのですが、どうしても毎年何人かは離職していきます。離職する理由を考察すると、大まかには転職とメンタル不調に大別できると我々は捉えています。
転職については、もともと希望する職業があってその夢を追いたいという場合が多く、これについてはある程度致し方ないと思っています。問題はメンタル不調で離職してしまう場合です。これについては、メンタルをケアするフォロー体制が早急に必要でした。
2つ目の課題は行動定着の検証です。集合研修はどうしてもインプット型の内容となりますが、その後の行動定着(アウトプット)を検証する仕組み作りが必要でした。
Q:御行における新入行員を教育する研修およびフォロー体制についてお聞かせください。
4~6月までは試採用期間で、新入行員は以下のような流れで研修を行います。7月には正規採用となり、以降は3カ月ごとにフォロー研修を行っていきます。
月 |
内容 |
4月 |
・一次研修(2週間) ・研修会館でビジネスマナーや銀行業務の基礎などを学ぶ。 |
5月
|
・営業店でのOJT ・体験研修 少林寺拳法発祥の地、金剛禅総本山少林寺で少林寺拳法体験入門を実施。少林寺拳法を通じて集団行動や礼儀作法を学ぶ。 |
6月 |
・営業店でのOJT |
7月 |
正規採用/1回目のフォロー研修 |
7月以降 |
3カ月ごとにフォロー研修 |
フォロー研修については、外部講師の方にお願いしています。フォローの考え方に一貫性を持たせるため、昨年からは1年を通して同じ講師の方にすべてのフォロー研修を行っていただいています。
フォロー研修では、新入行員に自分の目標を文書化させていました。後日、営業店の上席との面談の際にその目標について話し合うのですが、振り返りの頻度も少ないことから、行動定着には課題があり、何らかの施策が必要だと考えていました。
Q:クラウドコーチング導入の経緯をお聞かせください。
当行の役員が2019年1月16日放映のNHK「クローズアップ現代+~イマドキの若手育成術~」という番組のなかで明治大学ラグビー部がクラウドコーチングを使っているシーンを見たとのことで、「毎日振り返りを実施することでメンタル強化できるクラウドコーチングを取り入れてみたらどうか」と我々に提案がありました。
我々も映像を確認し「これで実際に変わるなら凄い」と感じました。スマートフォンで行える点も今の若い方には合いそうですし、クラウドコーチングのようなツールを導入していけばアウトプットも得られるかもしれないと考えました。そこで、2019年3月、ビジネスコーチにアポイントを取り、社内決定を経た上で、7月の正規採用に合わせてクラウドコーチングを導入することにしました。
メンタルケアをビジネスコーチのプロコーチに期待
Q:今回、フォローアップコーチも導入されていましたが、その理由をお聞かせください。
人事部門や営業店の上席が振り返りコメントに対するフォローアップを行い、コミュニケーションを高めながら本音の部分にも寄り添えればメンタルケアも可能だと思いますが、
あわせて、ビジネス経験が豊富でプロコーチとしてのスキルが高い方にもご協力を頂くことで、より高い効果が期待できるのではと考え、ビジネスコーチにフォローアップコーチのアサインをお願いしました。
メンタル不調の離職者はゼロ、行動定着の検証も可能に
Q:クラウドコーチング導入による効果はありましたか
メンタルケアの部分でも振り返りの部分でも効果が得られました。具体的には以下の通りです。
<メンタル不調による離職者はゼロ>
転職希望による離職者は数名いましたが、今年はメンタル不調による離職者は1年経った今のところ出ていません。
<フォローアップコーチのメンタルケアが大きな効果を発揮>
メンタル不調による離職者が出ていないのは、フォローアップコーチのメンタルケアが功を奏したのではないかと思っています。フォローアップコーチが本音に寄り添い、誰にも相談できないこともしっかり受け止めてメンタルケアしていただいたと考えています。もちろん、我々は新入行員とフォローアップコーチのやり取りについては詳細までは分かりませんが、メンタル不調による離職者がいないという結果がすべてを物語っているのではないでしょうか。
<振り返りが行動を習慣化させる>
クラウドコーチングは行動目標の振り返りが大前提ですから、振り返り率が低ければ導入した意味がないと考えていました。ですから、振り返り率の低い新入行員にログインを促すなど、振り返り率にはこだわりました。その結果「継続してやることで行動の習慣化ができた」という新入行員の声を数多く聞くことができ、ようやく行動定着の検証というアウトプットまで届いたと感じました。
一方で、最終的な振り返り率については、行員毎に大きなばらつきがありました。その理由を調査してみると、自身の目標が達成出来るようになり、振り返りをやめてしまった行員が数多くいることが分かりました。行動の習慣化には、継続して行うことと合わせ、自身の成長に即した目標の設定の見直しがとても重要であることが分かりました。
自身の成長に合わせた定期的な行動目標の設定も視野に
Q:今後、クラウドコーチングをどのように活用されていくかお聞かせください。
もちろん、来季の新入行員に対してもクラウドコーチングを実施したいと考えています。ただし、行動目標の設定については変更する予定です。2019年度は行動目標は各自に任せ、継続して続けられる具体的行動を重視しましたが、営業店の第三者の視点などから見ると新入行員の成長という点では物足りなさがあり、やはり仕事上での成長を感じられる行動目標が求められます。
また、上記に記載の通り、早々に行動の習慣化ができる新入行員は、自ずと振り返り率が低くなります。今後は、自分自身の成長に合わせて定期的に行動目標を変えていくことが可能な仕組みづくりも必要になるでしょう。例えば、正採用後3カ月ごとに行うフォロー研修でクラウドコーチングを紐づけ、行動目標自体の振り返りや再考などを考える時間を設けるのが得策かもしれません。
Q:クラウドコーチングの先行ユーザーとして、クラウドコーチングの導入を検討されている方々に向けたメッセージをお願いします。
結果を見れば分かる通り、クラウドコーチングは確実に効果があります。運用については、まずは一年間活用してみて、二年目以降は一年間の結果を踏まえつつ、それぞれの企業スタイルに合わせて柔軟に再構築すればいいと思います。
どの企業も同じだと思いますが、新人一人に要する教育費用は莫大です。それを考えると、離職防止という観点だけで見てもクラウドコーチングは大きな効果が見込めるのではないでしょうか。
――ビジネスコーチに対する今後の期待をお願いします。
ビジネスコーチには、わざわざ四国の香川までご足労いただき、大変感謝しています。また、クラウドコーチングも、これからさらに機能アップが図られるだろうと期待しています。ぜひ、これからも我々に対するフォローをお願いします。
実際にクラウドコーチングを活用した新入行員の感想
Q新入行員の方々にお聞きします。クラウドコーチングを使った感想を教えてください。
<永峯 瑛都さん>
最初の印象は本当に効果があるのかなと不安と期待半々みたいな、不安が7割くらいですかね。設定した行動目標は初歩的なもので「早寝早起きをする」「朝ご飯をしっかり食べる」「大きな声で挨拶する」の3つ。この後「手帳を毎日7時に見る」も設定しました。
効果を感じたのは「手帳を毎日7時に見る」です。実は僕、全然計画性がないタイプなんです。友達と先に約束をしていても、後のスケジュールを優先してしまうことが結構あって、みんなに迷惑をかけていたんです。「手帳を毎日7時に見る」を毎日振り返るようにしていたら、自分のドタキャンがなくなりました。もちろん、仕事にもプラスになっています。きちんと手帳にも書き込んでいますから、お客様とのアポイントも忘れません。これは本当にクラウドコーチングのおかげだと感じています。
ログインの振り返り率が分かるランキングの機能は良いと思います。結構「気にするタイプ」なので、負けているみたいなのはイヤなんですよ。90%ぐらいは保っていて良い感じなんですけど、堀さんには勝てないですね。
「社会人基礎力※」は、だいぶ身に付いてきたと感じます。とくに「考え抜く力」の「計画力」ですね。計画できるようになりました。足りないところは「チームで働く力」の「ストレスコントロール力」ですね。お客様とのやり取りできつく言われたり、理不尽なことを言われると顔に出てしまうんです。自律と内省を続けて、感情をコントロールできるように頑張ります。
※「社会人基礎力」とは、「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)から構成されており、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、経済産業省が2006年に提唱しました。
新入行員に言えることは、毎日振り返ることでちょっとずつ自分が変わっていくことが分かるということです。ぜひ頑張ってください。
<堀 円香さん>
こんなことが今年から始まるのかというのが最初の印象だったんですけど、よくよく考えてみたら、こういう機会でもないと自分で目標を設定することってないですし「これを前向きにとらえるかどうかで自分の未来は変わるかも」って思いました。
高すぎる目標にしたら絶対続かないと思って、行動目標は「落ちているゴミを拾う」にしました。銀行って結構付箋などのゴミ落ちていることが多くて、そういうのを意識的に拾うことはできるかもしれないと思ったんです。振り返りはできるだけ早くしました。ゴミを拾って「今日できた」って思ったら随時。 ログイン率も高いと思います。ほぼ1位。
「落ちているゴミを拾う」が習慣化されてから、何か仕事を頼まれた際にはプラス1つ何か「その人のためになることをしよう」という意識になりました。例えば、今までは帳票類を使ったらそのまま返していましたが、意識して次に使う人がどのページから使用するか分かるようにして返すようにしました。そしたら、気付いてくれた先輩方に「ありがとう」と言っていただいて…。すごくうれしかったですね。もちろん、「またやろう」って思いました。
フォローアップコーチは新入行員全員一人ひとりに向けてメッセージを送ってくれるので、本当にすごいと思います。私はその週に起きた自分のミスとかを書いて送るんですけど、すごく前向きに「堀さんはそこに気付けているから素晴らしい」と返信してくださるんです。私自身、すごく元気をもらっています。先輩行員には言えないこともあるので、フォローアップコーチとのやり取りは二年目以降も続けたいですね。
社会人基礎力で身に付いたのは「前に踏み出す力」の「主体性」の部分です。足りないところは「考え抜く力」ですね。分からないことがあったら、すぐに人に聞いてしまうのが自分の短所だと最近気付きました。まあ、人に聞いたほうが早いこともあるじゃないですか。とくにお客様を待たせてしまう場合のときはそうしてしまうんですけど、自分で考えて調べる力も必要だなと。それを目標にしてもいいんですけど、そうなると×ばっかりになるから。
新入行員に一言ですか。 最初はちょっと面倒って思うかもしれないけど、習慣化したら自分にとって大きな武器になると思います。あと本当にフォローアップコーチはおすすめなので、ぜひ振り返りコメントを使っていただきたいですね。