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事例紹介

【ANA 様】安全を担保する人材を育てるためにANA整備部門ではクラウドコーチングを活用しています

全日本空輸株式会社

整備センター 教育訓練部 基礎教育チーム 教官 専門部長 加藤悟 氏
同部門同チーム 教官 マネジャー 坂井勝治 氏
同部門専門訓練チーム 教官 アシスタントマネジャー 山根和也 氏
ANAエンジンテクニクス(株) 整備部 宮村 憲子氏

ビジネスコーチ 
お客様に聞く(クラウドコーチング) ー 全日本空輸株式会社 ー

 

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全日本空輸(株) 整備センター 教育訓練部 基礎教育チーム 教官 専門部長 加藤悟 氏、同部門同チーム 教官 マネジャー 坂井勝治 氏、同部門専門訓練チーム 教官 アシスタントマネジャー 山根和也 氏、ANAエンジンテクニクス(株) 整備部 宮村 憲子氏にクラウドコーチングを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

全日本空輸株式会社について

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全日本空輸(以下 ANA)は日本を代表する航空会社のひとつです。グループ 連結売上高 2兆583億円、連結従業員数43,466名

(※ この事例に記述した数字、事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています)

研修で決めたアクションプランを実践し、行動様式の定着化につなげる

Q.ANAでは、なぜクラウドコーチングを導入したのですか。

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整備部門の「新任チーフ研修」にて、受講者が研修後もそれぞれ設定したアクションプランを日々実践し、行動様式の定着化につなげていくことを目的にクラウドコーチングを導入しました。

航空機の安全運航という重責を担う整備部門は、総勢4800名(※)。その中でチーフは精鋭250名。各現場の作業者10名~15名を束ねる「現場責任者」であり、整備部門の要(かなめ)といえる存在です。(※ グループ会社を含む)

新任チーフ向け研修は、毎年、新たにチーフに選任された人に対して実施しています。 内容は「部下の育成、現場の統率のためのコミュニケーション/コーチングノウハウを教える」ことに主眼を置いています。研修の概要は次のとおりです。

項目 内容 備考
受講対象者 新たにチーフに選任された社員 100名
期間、場所 1泊2日 ANA研修センター
講師 社内の講師 クラウドコーチングの説明の部分はビジネスコーチに依頼


この研修でのクラウドコーチングの位置づけ、活用方法は次のとおりです。

  1. 研修の期間中に各チーフは、研修後に自分が実行するべき「行動項目」を決める。
  2. チーフは、研修後に1日に1度、「行動項目が実行できたかどうか」を自己採点し、クラウドコーチングに記入する(これを6ヶ月続ける)
  3. 社内で、定期的にチーフに対する「360度評価」を行う。チーフの行動が変化したかどうかを、上司、同僚、部下が評価する。

現在、社員向け研修は、ほぼすべて本社人事部が統括して行っています。ただ、整備部門特有の課題があるため新任チーフ研修は整備部門で自主開催しています。

コミュニケーションが整備の品質を決める

Q.なぜ、コミュニケーション研修がそれほど重要なのですか?

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整備部門の役割は「航空機の安全運航を担保すること」であり、したがって人財育成の目標は「安全を担保できる人を育成すること」になります。それを実現するには、整備技術の向上だけでは不十分で、作業者どうしのコミュニケーションがきわめて重要になります。

ANAには「小さいことほど丁寧にあたりまえのことほど真剣に」という言葉があります。一般には「あたりまえのことをバカになってちゃんとやる(ABC)」とも表現されるようです。整備の世界では、ひとつひとつの基本行動を確実に行うことが重要です。そのために重要なのが実はコミュニケーションなのです。

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Q.ここで実際の新任チーフである宮村さんにお伺いします。整備の現場でコミュニケーションは、どういう意味で重要なのでしょうか。

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一口に「整備」といっても、各自が黙々と作業する分野から、みなで連携して成果を出す分野まで様々です。しかしコミュニケーションは、どの分野でも重要です。

コミュニケーションといっても、大仰に構える必要はなく、ちょっとした「声をかける、かけられる」というぐらいでも良いのですが、たった、それだけでも各員のコンディションが良く分かります。十数人も人がいれば、全員がいつも絶好調とは限らない。チーフとして皆の状態に常に目配せし、必要なときは支援、テコ入れします。

チーフにとっては「声をかけること」と同じくらい、「声をかけられやすい人になる」ことが重要です。チーフが「声をかけにくいオーラ」を発していると、作業者がつい自分で抱え込んでしまう。すると最悪の場合、ギリギリになって不調が判明し、多大な人員と労力をかけてリカバリすることになります。そんな事態を避けるためにも、チーフは「声をかけられやすい人」になる必要があります。

クラウドコーチング導入前の問題点

Q.今回、研修の効果定着ツールとしてクラウドコーチングを採用した経緯を教えてください。

それまで「研修内容が社員に定着しない」「いや、そもそも、定着したかどうかを知るすべがない」ことが課題でした。どんな良い研修を受けても、「ああ、いい話を聞いた」で終わったのでは無意味です。受講者は、研修後も自分が決めた行動に継続コミットしなければいけない。しかし、それが本当にできているのかどうか、これまで確かめる術がなかったのです。
 


(宮村さん):研修の受講者側としての感想ですが、すみません、今までは研修のとき何かにコミットしても、一ヶ月たつと、「あれ、私、何にコミットしたんだっけ?」とすっかり忘れていることもありました。


これでは研修の内容が定着するはずはありませんね(笑)。そして何か良い手立てはないか検討しているとき、チーム内のメンバーから「クラウドコーチング というツールがある。すごく良いよ。」と紹介がありました。興味があったので、早速ビジネスコーチに問い合わせし、プレゼンしてもらいました。

「とにかくやってみよう」

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Q.プレゼン後の印象はいかがでしたか。

研修後の行動変容を受講者が自分でチェックできる、そんなツールがあるのは、とても希望のある話だと思いました。

一部では反対論もありました。「こんな単純なツールで本当に行動が変わるのか?」という意見も。前例がないものに対する直感的な懐疑でした。

ただ、こうした新しい試みは究極「やってみないと分からない」ものです。利用イメージも湧いたので、とにかく使ってみることにしました。

実際、どのように使ったか?

Q.具体的にどのようにクラウドコーチングを使っていったのでしょうか。

一泊二日の研修の途中で、受講者全員に「研修後にクラウドコーチングを使ってチェックする行動項目」を作成してもらいました。これは実物をお見せします。次のようなものです。

  • ネガティブな発言はしません。
  • 悩んでいる人がいたら自ら輪に入っていきます。
  • 相手の話を受け入れて、否定しません。
  • 「どうしたらできるか」と聞く
  • どんな些細なことでもありがとうと言う。
  • 調整事項は直接会って話しに行く
  • 人に何かを聞かれた際は立って聞く
  • 毎日事務所を挨拶してまわる
  • 愚痴、悪口ではなく相手のいい所を言う。
  • 他人のあいさつに応答する
  • 出社時に、出社済みのチーム員全員に聞こえる声で挨拶する
  • アドバイスの前に質問する(考えさせる)
  • 1人1人と目を見て話す。話の途中で他の作業をしない
  • 毎日、課員とランチを食べ、交流を深める
  • 始業時、机の上を片付ける
  • 相手の所に行って挨拶する
  • あいさつ+一言
  • 感謝を伝える時には肩をたたきながら褒める!
  • 上司と話す(発信力と情報収集力を高め/班の連携強化)
  • 退社時、備品と掲示物を整理する
  • 後輩に仕事の愚痴を言わない、聞かれない
  • 笑顔で接する
  • 業務中、話し掛けられた際、手を止め目を見て話を聴く
  • 話しかけられた時、席を立って同じ目線で笑顔で話す。
  • 毎日、日頃あまり接点のない同所属の1人には、相手の関心挨拶以外の会話をする。
  • 無線、電話連絡の最後に感謝の意を伝える。
  • 自身が使用したテーブルの整理整頓。
  • 相手の話を最後まで聴く
  • 作業アサインした時に一声掛ける
  • 1日1回は感謝を伝える
  • 相手の顔を見て挨拶する
  • 退勤時に自習室に顔を出す。
  • 終業時にホチキスの芯を補充する。
  • うなずきながら話を聴く。
  • 笑顔で挨拶する。
  • 相手の話を聴く際に、目をみて体を向ける。
  • 業務中、相手の言葉をさえぎらない。
  • メンバーとは毎日何かしらの会話を行なう。
  • 挨拶や会話の際は、相手の目を見て行なう。
  • 小さな事でも口に出して褒める。
  • 相手の顔をみて挨拶する。
  • 些細な事でも「ありがとう」を声にだす。
  • 誰に対しても自分から挨拶をします。
  • 指示を出した後、業務が完了したら先輩、後輩問わず感謝の気持ちを伝えます。
  • Mail.文章でなく直接会話出来る時は会話する事でコミニケーション力を高めます。
  • 始業前に清掃を実施します。
  • 挨拶の後に一言
  • 1日1回誰かを褒める
  • 手を止めて顔を見て話す
  • 1日1回誰かにありがとうと言う
  • 他人の悪口を言わない

Q.本当に「基本的な項目」「小さな行動」ばかりですね。

これは研修のときに「項目はなるべく小さく作るように」と伝えました。「部下に信頼される自分になる」「部下に対して心を開く」のような抽象的な内容では、できたか、できないかの自己評価できないからです。

「話しかけられた時は、席を立って同じ目線で笑顔で話す」、
「相手の所に行って挨拶する」、
「あいさつプラス何か一言」、
「感謝を伝える時には肩をたたきながら褒める!」
などは、「声をかけられやすいチーフになる」ために有効な行動項目だと思います。
「終業時にホチキスの芯を補充する」というのも、よいですね(笑)。

研修後にクラウドコーチングを使うということは、研修の中ではじめて伝えました。クラウドコーチングの使い方については、ビジネスコーチの社員の方が研修中に登壇して説明してくださいました。

研修の受講者側の感想

Q.チーフのお二人に質問です。「研修後はクラウドコーチングを使う」という発表を聞いて、どう思いましたか。また、実際どのように使っていきましたか。


a3(山根さん):最初は正直言うと、

「なんだそりゃ!?」
「毎日やるのか、めんどくさいな~」
「こんなので本当に行動が変わるのかな~」

と少し思いました。ただ研修参加者みなでやるわけだし、「みんなで前向きに取り組むのは、いいな」と思いました。

わたしは、通勤の帰りの電車の中で記入することが多かったです。乗り換え待ちのホームの上で、2~3分スマホを操作して済ませました。

(宮村さん):私も最初は

「毎日やるのかあ」
「整備、いそがしいんだけどなあ」

と少し思いました(笑)。

記入は、朝の就業前にやるよう習慣づけました。整備を始める前に、作業机に立ち寄ってiPadを手にとり、前日のことを振り返って記入します。書いた内容が、上司に見られるのは知っていました。でも「ウソついてもしょうがないし」と思って、正直に記入しました。


クラウドコーチングの導入効果

Q.再び、加藤さん、坂井さんにお伺いします。社員の記入内容をどう評価していったのですか。

私たちは「チーフが自分で記入したい内容」より、むしろ「周囲の人々がチーフをどう評価しているか」に注目することにしました。

具体的には、研修を受けたチーフ100人それぞれの上司、部下、同僚に「○○さんは、行動が変わったと思うか?」という趣旨の質問をし、その集計値を見るわけです。以下がその結果です。(大きくは紺と青が「良くなった」という意味です)

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「(行動が)良くなった」の推移は次のとおりです(10月以降は前月に比べ良くなったかとの設問に変えています)。

9月(研修直後) 74%
10月

65%

11月 75%
12月 70%
1月 71%

2月(研修の半年後)

87%

これは予想以上に良い数字でした。何より「良くなった」が70%~80%の割合で6ヶ月間推移できているのが素晴らしい。目標は行動様式の「定着」なので、「研修直後が90%だったけど半年たったら30%に低落…」というのでは困るわけです。

それを考えれば、この数字は素晴らしい。みなさん、よくがんばってくれました。そして、クラウドコーチングを導入して本当に良かったと思います。
 


山根さん):このグラフは、記入を開始して3ヶ月後に私も見ました。おぉ、みんながんばってるなあと励みになりました。

宮村さん):私もです。みんなちゃんとやってる、自分もがんばらないと、と感じました。


 

今後の期待

Q.いまクラウドコーチングの導入を検討している企業に向けて「先行ユーザーとしてのアドバイス」などあればお願いします。

迷ってるなら、やった方がいいです。きっと良い結果になると思います。

Q.ビジネスコーチへの今後の期待をお聞かせください。

今回、クラウドコーチングを活用したことで、長年の課題であった「行動様式の定着」「効果測定」が、大きく前進いたしました。ANA 整備部門は、今後も「安全を担保できる人財」を育成するべく、尽力していきます。ビジネスコーチにはそうした取り組みを優れた製品、提案、コンサルティングを通じ、後方支援いただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。

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