• TOP
  • コラム
  • 【HRエグゼクティブサロン 第17回】
    制度変更とカルチャー変革 リコーの試み

【HRエグゼクティブサロン 第17回】
制度変更とカルチャー変革 リコーの試み

事業転換に向けて劇的なパラダイムシフトを断行。「明日の働き方」づくりに挑む

  • HRエグゼクティブサロン

企業理念である「リコーウェイ」の下、「“はたらく”に歓びを」を使命と目指す姿に掲げ、自らが変わるために新たなチャレンジに邁進する株式会社リコー。意欲ある社員を後押しする制度や仕組み、環境を整え、社員がイキイキと働ける組織・風土づくりを推進し、“はたらく”に寄り添い変革を起こし続けることで、人ならではの創造力の発揮を支え、持続可能な未来社会の実現を目指しています。


17HRエグゼクティブサロンでは、「制度変更とカルチャー変革 リコーの試み」と題して、同社のCHRO 瀬戸 まゆ子 氏をお招きし、持続的成長を実現する人事変革について講演を行いました。


三愛精神の下にグローバル展開を進め、複合機で世界シェア2位の座に


1936年創業の株式会社リコーは、コピーやFAX、スキャン、プリンターなどの機能を併せ持つ複合機において、世界2位のシェアを誇ります。グループ企業数は240社を数え、連結売上高は2兆1000億円超。従業員数は8万人に上ります。


リコーの創業者である市村 清 氏は、創業の精神として「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」という三愛精神を掲げ、それがリコー三愛グループの名の由来にもなっています。同社は三愛精神を事業活動の根幹として、従業員がイキイキと働ける環境づくりに取り組み、プリンティングソリューションやデジタルサービスでお客様の“はたらく”に寄り添ってきました。この考え方は、同社のビジョンでもある「“はたらく”に歓びを」にもつながるもので、「当社が提供しているのは単なる事務機器ではなく、“明日の働き方”だと思っています」と瀬戸氏は語ります。


同社の主な製品は、複合機やプリンターを筆頭に、産業用インクジェットヘッドやプロジェクター、インタラクティブホワイトボード(電子黒板)、360度カメラなど。事業の柱は、複合機等のエッジデバイスと各種アプリケーション・サービスをリコーグループ共通のプラットフォームであるRICOH Smart Integration(RSI)でつなぎ、お客様のデジタル化を支援することです。また、同社のコア技術であるインクジェット技術を活用して、自動車塗装の塗装効率を向上させる粘度の高いインクを開発し、廃液を減らすなどの環境貢献も果たしてきました。


同社はグローバル展開も進んでおり、海外売上比率は6割強に上ります。全従業員8万人のうち約5万人が海外拠点で働くスタッフです。しかし、海外拠点の位置づけは販売拠点と生産が基本で、製品の企画・開発・は日本で行い、海外拠点は製造の拠点か販売のチャネル機能というものでした。



資料1.jpg


事業環境の激変により、製造業からサービス業への転換を図る


複合機の業界は少し特殊で、日本のメーカーがOEMを含めるとA3複合機の世界シェアの約90%を占めています。競合が少ないために外圧も少なく、これまで業界再編の大きな波にさらされることもありませんでした。また、複合機のビジネスモデルは、複合機のマシンの販売収益だけでなく、1枚プリントされるごとに課金されていくという盤石なモデルだったために、収益は非常に安定していました。


しかし、業務のデジタル化によってペーパーレス化が進んだのに加え、コロナ禍でリモートワークが急速に普及したことで、オフィスでの複合機の使用率が急減しました。コロナ禍以前から、リコーでも「明日の働き方」を創出すべく、新たなビジネスモデルを追求してきました。お客様のワークプレイスの広がりに合わせ、ホームオフィスや医療現場、建築現場など、会社以外の場所で同社のソリューション・テクノロジーを活用してもらうとともに、インクジェットの技術をバイオメディカル業界に提供するなど、製造業からサービス業への転換を推進してきたのです。しかし、コロナ禍によってその動きを一気に加速しなければならない必要性に迫られました。 →つづく



こちらのレポートをお読みになりたい方は、こちらよりPDFをダウンロードしてお読みください。
https://moushikomi.businesscoach.co.jp/entry_seminar/chrg_input_common.html?group=230905_HRex17

執筆者

ビジネスコーチ株式会社 セミナー事務局

登壇者のご紹介

株式会社リコー コーポレート上席執行役員 CHRO 人事部長

瀬戸 まゆ子 氏

日本の大学を卒業後、米国マサチューセッツ州の大学で臨床心理学修士号を取得し、米国クリニック等で勤務。2000年にキャリアチェンジし、米国製薬会社の日本支社から会社員としてのキャリアをスタートする。その後、外資系金融会社や日系企業での人事経験を経て、20204月に株式会社リコーに入社。韓国(ソウル)とスイス(チューリヒ)で海外勤務経験。

RELATED INFORMATION関連情報

コラム

人材開発・組織開発用語:「ハラスメント」

人材開発・組織開発に関連する専門用語について、ビジネスコーチ社が解説します。

コラム

連載コラム「CHRO対談」第3弾:アルプスアルパイン株式会社

創業者の想い「人に賭ける」を再定義して人事の進化を加速。「革新的T型企業」への変革で更なる躍進を目指すHRエグゼクティブコンソーシアム 代表 楠田祐氏の協力のもと企画された本対談では、採用や育成、評価...

コラム

人材開発・組織開発用語:「DE&I」

人材開発・組織開発に関連する専門用語について、ビジネスコーチ社が解説します。

コラム

人材開発・組織開発用語:「D&I」

人材開発・組織開発に関連する専門用語について、ビジネスコーチ社が解説します。

コラム

人材開発・組織開発用語:「Diversity & Core」

人材開発・組織開発に関連する専門用語について、ビジネスコーチ社が解説します。

コラム

人材開発・組織開発用語:「ダイバーシティマネジメント」

人材開発・組織開発に関連する専門用語について、ビジネスコーチ社が解説します。

コラム

人材開発・組織開発用語:「アンコンシャスバイアス」

人材開発・組織開発に関連する専門用語について、ビジネスコーチ社が解説します。

コラム

人材開発・組織開発用語:「コンセプチュアルスキル」

人材開発・組織開発に関連する専門用語について、ビジネスコーチ社が解説します。

コラム

人材開発・組織開発用語:「プロフェッショナルマネジメント」

人材開発・組織開発に関連する専門用語について、ビジネスコーチ社が解説します。

コラム

人材開発・組織開発用語:「人的資本経営」

人材開発・組織開発に関連する専門用語について、ビジネスコーチ社が解説します。