人材開発・組織開発用語:「VUCA」
人材開発・組織開発において押さえておきたいキーワード
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人材開発・組織開発用語
人材開発・組織開発に関連する専門用語について、ビジネスコーチ社が解説します。
執筆者
ビジネスコーチ株式会社
マーケティング本部 広報担当
VUCA
Volatility(変動制)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとったもの。環境変化が著しく、先行きが不透明かつ複雑である状況を表す。元々は軍隊で生まれた言葉だが、その後、ビジネスにおいて使われるようになり、組織が活動するチャレンジングでダイナミック、かつ変化の激しい環境を表す言葉として使われている。
今よりも変化が少なく、先の見通しが立てやすかった時代においては「違い」を尊重するよりも「同じ」であることが求められ、上からの指示に忠実に行動できる人材が活躍していたが、このVUCA時代においては、世の中の状況に敏感に反応し、柔軟に判断し、社員ひとり一人の「個」を尊重した育成を行うことで、多様な知見を最大限に発揮させ、イノベーティブな組織づくりをしていくことが求められる。
また、VUCA時代を生き抜き組織をより良い方向に導くために、ビジネスコーチ社が考える、リーダーが身につけるべきポイントをいくつか紹介する。
1. 適応力と敏捷性:
リーダーは、状況の変化に応じて素早く進むべき方向を転換し、不確実性の中で決断を下すことに慣れていくこと
2. ビジョンの設定:
向かうべき道が明確でない場合でも、リーダーはビジョンを設定し、チームに方向性を指し示し、目的意識を与えることで、チームがモチベーション高く前進できるようにすること
3. 感情のコントロール(エモーショナル・インテリジェンス):
急激な変化の多く、ストレス要素の多い時代において、自分自身の感情を理解しコントロールすること、冷静さを保ちつつ、他者に寄り添い共感し、サポートすることの必要性を認識すること
4. コミュニケーション能力:
忖度することなく、誰に対してもどんな場面であってもオープンな対話が促進されるよう、相手を観察し、話を遮ることなく傾聴し、必要に応じて承認し、質の高い質問を投げかけること
5. 継続的な学習:
常に状況が変化していく時代において、常に情報をアップデートし、日々自己研鑽に励むこと
6. パートナーシップの構築:
自身の組織内だけで完結させるのではなく、必要に応じて、社内の横のつながりや外部とのつながりを大切にし活用していくこと
7. 多様性の理解:
個々の思考、価値観、考え方を理解し尊重するとともに、各々の強みを発揮できる場所(機会)を検討していくこと
8. レジリエンス:
リーダーは、個人においてもチームにおいても、挫折や困難を乗り越え、目標への意欲を維持しつつ次の打ち手を検討しうる状態を構築すること
9. ステークホルダー中心のリーダーシップ:
株主だけでなく、顧客や社員、協力関係者、地域社会と、すべてのステークホルダーのニーズと発展に焦点を当てること