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エキサイト株式会社
(リーダーシップ研修)
エキサイトでは上級管理職50名向けのリーダーシップ研修をビジネスコーチに依頼しました
エキサイトでは上級管理職50名向けのリーダーシップ研修をビジネスコーチに依頼しました
クライアント企業情報
エキサイト株式会社
エキサイト株式会社は、メディア事業・ブロードバンド事業・課金事業に加え、時代変化に合わせた新規事業を生み出している、インターネット総合会社です。
主要サービス一覧:https://info.excite.co.jp/ (※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています)
ご担当者様
エキサイト 高橋 直美氏、穂積 利香氏
お客様の課題・ご要望
・ プレイヤーとしてではなく、チームとして成果を出せる管理職育成
・ 上級管理職のコミュニケーション力の向上
ビジネスコーチの提案・サポート
・ 上級管理職のリーダーシップ研修
上級管理職のリーダーシップ研修を依頼
Q.エキサイトはビジネスコーチにどんな業務を依頼していますか。
エキサイトでは、ビジネスコーチに上級管理職向けリーダーシップ研修を依頼しました。概要は次のとおりです。
項目 | 内容 | 備考 |
研修対象者 |
-部長:約20名 |
マネージャーはいわゆる「課長」に相当 |
期間、回数 |
– 2018年9月~12月 |
(※ 1回7時間。ただし部長向け12月のみ4時間) |
場所 | エキサイト社内会議室 |
コミュニケーションの「技術」を学ぶ
Q.リーダーシップ研修を実施した目的、背景について教えてください。
大きくは「上級管理職のコミュニケーション力の向上」が狙いです。
エキサイトは元々がベンチャー企業です。そのため現在、上級管理職である社員の中には、以前、自分が新人だった頃には、「自力で職能を身につけ」、「そしてプレイヤーとして成果を出し」、それが認められ昇進した、という人が多数います。
しかし管理職に昇進して求められるのは、プレイヤーとしてではなく、チームとして成果を出すことです。それを実現するには部下との高品質のコミュニケーションを取ることが不可欠です。
弊社の中堅管理職には、従来から「チームとして成果を出そう」という意欲、指向性は十分ありました。ただ、それを実現するための「コミュニケーションの技術、理論」が十分に備わっていない可能性がありました。そこを補い、会社全体の「組織として成果を出す力」を底上げするべく、研修を行おうと考えた次第です。
まず書籍、ネット、セミナーを通じ情報収集することから始めました。その中で浮上したキーワードが「コーチング」だったのです。
コーチングの成功体験
Q.なぜコーチングに関心を持ったのですか。
最初、「1on1」に興味を持ち、その後、その前提である「コーチング」に関心が向きました。また私自身が過去に「上司からコーチングを受けて成長できた」という経験があります。
私は前職で、精密機器メーカーの技術者でした。開発の途中で社内コミュニケーションに手こずったとき、上司は責めるでなく答を与えてくれるでもなく、いつも私に「好きにしていいよ、どうしたらいいと思う?」と質問してきました。
私なりに回答すると、「それをやると、どうなるだろうか?」とまた質問してきます。それに答え続けるうちに、自分の中で思考が進み、最後は問題解決に至る、そんな経験が何度かありました。当時の上司の方法論は、後で考
えればコーチングそのものでした。
その後、社内でも協議し、自社の課題を解決するにはコーチングが最良という結論に到りました。管理職研修は「コーチング」を軸に実施すると決め、続いて研修会社の選定を開始しました。
研修会社に求めた要件
Q.研修会社はどんな基準で選定したのですか。
研修会社を選択するにあたり、次の要件を求めました。
要件1. 「具体性 (実際に使える技術であること)」
本で読めば分かる抽象論、たとえば「上司は部下に対し、聞くこと、認めること、褒めることが重要です」などを説くだけの研修は避けたいと考えました。もっと具体的な、「『わかる』ではなく『できるようになる』ための研修を求めました。
ビジネスコーチの研修内容は、「質問のチャンクアップ、チャンクダウン」や「部下のタイプ別の接し方の技術」など具体的な内容であり、弊社の目的に合致していました。
要件2.「説得力 (耳に逆らわないこと)」
講師に「上級管理職の受講者に対する説得力」が備わっていることを求めました。通常の研修講師が理論、概論を語るだけでは、受講者が「この講師は本当にビジネスの現場を知っているか」と疑念を感じ、研修の内容が耳に入らなくなる恐れがあります。
一方、ビジネスコーチからは、「事業会社の社長を務めた経験がある」という一線級の講師が来てくださり、受講者への説得力は十分でした。研修後のアンケートでは、「社長まで勤めた人が研修をしてくれた」という記入もありました。
要件3.「論理性 (精神論に終始しないこと)」
IT企業であるエキサイトの社風を考えたとき、やはり論理的な研修が望まれます。精神論に終止してはいけないし、禅問答のような問いかけも向いていません。まずはロジカルに、それでいて受講者の心に響く、よく腹落ちする、そんな納得性の高い研修を求めました。
要件4.「ビジネス指向(企業として成果を出すための内容であること) 」
コーチングの世界には、ライフコーチングのように「個人の人生」に着目したものもあります。しかし上級管理職向けの企業研修は「企業としての成果追求」を目指す、「ビジネス指向」であるべきです。『ビジネスコーチ』の研修は、その名のとおり明らかにビジネス指向であり、私たちの業務に有効だと感じられました。
研修内容に「フォロワーシップ」が盛り込まれていたのも良い点でした。中間管理職は、現場社員と経営層の中間にある職位であり、リーダーシップとフォロワーシップの両方を学ぶのは理に適っています。
要件5.「柔軟性、提案力(カスタマイズ可能であること)」
「上級管理職のコミュニケーション力の強化」という弊社の課題に合わせて、カスタマイズ可能な研修であることを求めました。ビジネスコーチからは、こちらの意図、趣旨、希望をよく聞いた上で、それに合致した提案が出されました。その後スケジュールが迫ってきた段階で、「実は最近このことも課題で…」と伝えたところ、「その内容もスライドに盛り込みましょう」と即応していただけました。こうした柔軟性、対応力は研修を運営する側には、非常に助かります。
以上の基準で候補各社を比較検討したところ、ビジネスコーチが弊社の求める要件を最もよく満たしていたのでこれを採用しました。そして2018年後半に研修を実施。私たち自身も出席、受講しました。
研修への評価
Q.研修を終えての評価をお聞かせください。
個人的には「関係の質を高める」「大切なことを大切に話す」「会話ではなく対話を」というキーワードが印象に残りました。特に「会話ではなく対話」は私だけでなく多くの受講者の印象に残り、今や管理職の間で、一つの「社内共通言語」となりました。
「ネガティブ・ケイパビリティ」という単語も印象的でした。「考えたくないことを考える」「途中で止めず考え抜く」「安易に正解に飛びつかない」、そんな姿勢の重要性を学びました。
この他、「副詞を添えて再質問」という技術も参考になりました。部下に質問をして、答えが返ってきたとき、それに対し、「いま考えたその案を『さらに強くする/もっと劇的に/一番良くする』にはどうすれば良いだろうか」と追加質問します。たったそれだけのことで相手の思考を刺激し、相手の(そして自分の)思考の枠を広げる、既存のパターンを打ち破ることができるのは、とても新鮮な発見でした。
アンケートは極めて良好でした。「これまでこうした研修がなかった。今回、受講できてよかった」、「コミュニケーション改善には確かに困っていた。タイムリーだと思う。内容も具体的で良かった」などの声がありました。セミナーで配布されたフロー図を普段から持ち歩いている社員もいます。
上級管理職のコミュニケーション能力、リーダーシップ力を底上げする、そのための「足場」が今回の研修を通じて確立できた、そんな実感があります。