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事例紹介

参加は手挙げ方式、話すテーマはメンバー側が提案。日本総研が大切にする「自律型1on1」の考え方とは

株式会社日本総合研究所

HRマネジメント部 次長 丹野 綾美 氏
HRマネジメント部 部長代理 佐々木 学 氏

ビジネスコーチ 
お客様に聞く(1on1ミーティング導入プログラム) ー 日本総合研究所 ー

トップ写真(1800)_文字入

左から株式会社日本総合研究所 HRマネジメント部 次長 丹野 綾美 氏、同部署 部長代理 佐々木 学 氏

1on1導入の背景として「社員の自主性を引き出したい」と考える企業は少なくありません。一方では、施策としての1on1をトップダウンで進めることにより、いつしか「1on1を実施すること」が目的化し、本末転倒となってしまうことも。

株式会社日本総合研究所では、こうした問題を見据え管理職とメンバーが1on1の場を自律的に活用できるよう、導入を進めてきました。現在では50部署超・約1400人が手を挙げて1on1を実施しています。そのプロセスと、同社が大切にする自律への考え方について伺いました。

日本総合研究所について

 【掲載指定】日本総研ロゴシンクタンク、コンサルティング、IT ソリューション。従業員数2768名(20213月末現在)。

ご担当者さまについて

佐々木 学 氏:
1998年新卒入社。エンジニアとして20年以上にわたり金融システムの開発に従事。2018年にHRマネジメント部へ異動し、1on1の立ち上げや管理職向け研修の企画・運営に従事。

丹野 綾美 氏:
2007年新卒入社。システム開発部門を経てHRマネジメント部へ異動し、採用や育成業務を担当。2020年よりHRマネジメント部次長として育成関連の企画・運営に携わる。

1on1導入の背景:管理職の指示に従うだけでなく、メンバーが主体的に考え、判断できる組織へ

――1on1ミーティングを導入した背景を教えてください。

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佐々木氏:現在、当社では2020年度にスタートした中期経営計画を進めています。その前段階で、2019年度に社員の声を集め、「社員の変革マインドを高めていくこと」「受け身の体質を変えていくこと」が組織課題として挙がっていました。その解決手段のひとつとして1on1を導入することとなりました。

――組織課題について詳しく教えていただけますか。

佐々木氏:主力事業の一つであるITソリューション事業では、主に我々が所属するSMBCグループ各社からシステム開発の仕事を引き受けていて、営業担当はおりません。開発に専念できるメリットがある一方で、「待っていれば仕事が来る」感覚になっている社員が一定数いることは否定できません。

ITソリューション事業におけるステークホルダーとして、ビジネスを考えるSMBCグループ各社と、ものづくりをするベンダー各社がいます。当社のメンバーはステークホルダーと大規模なプロジェクトを推進し、プロジェクトマネジメントを担うことも多い状況。ビジネスもシステムも理解して価値を発揮することが求められる面白い立場ですが、主体的に動かないと伝達係になってしまう恐れもあります。

そうした中で、近年SMBCグループ各社のプロジェクトは増加傾向にあり、多忙な状況に追われ、メンバーの中には主体的に動いていこうとする意識が薄れてしまう状況もありました。

丹野氏:従来、金融システムにおいては新しいチャレンジよりも、24時間365日止まらずに安定稼働させることが何よりも強く求められていました。しかし昨今では金融機関もDXの真っ只中にあり、私たちに求められる役割も大きく変化しています。「右向け右」では解決できない問題と向き合い、新しい解決策を提供していかなければならないのです。

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金融システムに安定・安心が求められることは変わりません。加えて、お客さまの価値観やニーズが多様化し、AIやブロックチェーンなどの新しい技術が次々と出てきている中では、迅速かつ適応的にものづくりを進めていくことも求められます。

大規模な計画のもと、管理職の指示に従ってじっくり動いていくだけではクライアントの要望に対応しきれません。フロントに立つ一人ひとりの社員が主体的に考え、判断できる組織にしていかなければならないと感じていました。

1on1導入のプロセス:トップダウンではなく手挙げ方式。「やらされ感」を生じさせないための工夫

――導入当初、1on1の対象とした上司は「次長」層です。対象者へは、どのような変化を期待していたのでしょうか。

佐々木氏:当社における次長は、一般的な課長職に相当します。現場で大きな影響力があり、かつ現場の仕事をいちばん理解しているのが次長層なのです。次長が1on1を通じて一人ひとりのメンバーと深く向き合っていけるようになれば、組織全体にも変化が波及していくのではないかと期待していました。

――導入時にHRマネジメント部として懸念していた点や、苦労した点はありましたか。

丹野氏:多忙な毎日を送っている次長層に対し、1on1の本質が伝わりきっていない中でプログラムを導入すれば、「また施策が増えるのか」と負担に感じる人が増えるのではないかと懸念していました。

――どのようにしてその懸念を払拭していったのでしょうか。

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佐々木氏:全社一斉にトップダウンで進めると、間違いなく「やらされ感」が生じるだろうと考えたんです。そこで、まずは一部の部署で試行しようと各部門に趣旨を説明し、計9部署・約100名(次長とメンバーを含む)に参加してもらいました。試行中は、随時アンケートを取り、当社に合う1on1の形を探っていったんです。

こうして1on1の導入を進めていくと、「以前よりもメンバーの考えが分かるようになった」「上司側にもメリットがあると感じた」いう声が届くようになりました。これで一定の手応えを感じつつ、それでも一斉に進めるのではなく、手挙げ方式にして新たな参加部署を募っていくことにしたのです。それが202011月の段階ですね。

結果、44部署から約900人が参加することとなりました。直近でも手挙げ方式で参加部署を募っていて、現在では50部署超・約1400人に広がり、ITソリューションだけでなくシンクタンクやコンサルティング事業の部門でも1on1導入が広がりつつあります。

丹野氏:「隣の部署が1on1を実施しているのを見て興味を持った」という声も多いです。HRマネジメント部として社内に大規模な広報を行っていたわけではありませんが、試行した部署の成果を見て、口コミのように参加者が徐々に広がっていくのを感じていました。

1on1実施時のルール:テーマは「メンバーが考えてくること」

――1on1実施時のルールやガイドラインがあれば教えてください。

佐々木氏:共通で設けているルールはふたつあります。「最低月1回は行うこと」と「1on1で話すテーマはメンバーが考えてくること」。このふたつさえ守ってもらえれば、あとは自由に進めてもらっています。

1on1はメンバーのために用意した場なので、そこで話すことはメンバー自身が考えてきてほしいという強い考えがあったんです。テーマを考えるためのヒントとして、「1on1ではこんな話題について話せる」という参考情報をハンドブックに載せて配布しています。

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――「メンバー側が1on1の場を活用すること」が重要なのだと。

丹野氏:はい。ある部署ではメンバーが1on1の相手を選べるようにしているところもあります。導入当初は、若手が「1on1で何を話せばいいんだろう」とビクビクしている様子も伝わってきていましたが、今では1on1を通じて上司とフラットに話せる雰囲気になってきていると感じます。

1on1導入の効果:メンバー自らが活用の方法を提案

――導入後の変化について、さらに詳しくお聞かせいただけますか。

佐々木氏:定量面では、定期的に取っているアンケートの「1on1は自分や組織にとって効果がある」「負担感よりもメリットのほうが大きいと感じる」といった質問に対して、イエスと答える人の割合が1on1を長く継続しているメンバーを中心に高まっています。

定性面では、社内のいろいろなところで「1on1」という言葉が聞かれるようになりましたね。管理職が1on1について話すことはもちろん、メンバー側から「新人に対して1on1をやってみよう」といったアイデアが出されるようにもなりました。また、1on1をすでに実施している部署のメンバーが1on1を実施していない部署へ異動し、「1on1がないと寂しい、困る」といった感想も漏らしていたほどです。

丹野氏:私自身が聞いた例では、1on1の場をうまく「シリーズ化」して活用しているメンバーもいます。「キャリアについて話すための場」「評価項目について深く聞くための場」といった形で、定期的に上司と話し合うための大きなテーマを決めて1on1を活用している人も少なくありません。

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以前はランチや飲み会、ゴルフ、バーベキューなどを活用しながらコミュニケーションを取っている人も多かったのですが、コロナ禍の影響でそれらすべてが機能停止してしまいました。でも定期的に1on1の場があり、それを活用しようとする意識があることで、オンラインでもコミュニケーションが深まっていると感じます。

重要なのは「1on1を使ってどんな組織にしたいのか」を一人ひとりが言語化すること

――1on1導入のパートナーとして、ビジネスコーチを選んだ理由についてもお聞かせいただけますか。

佐々木氏:ビジネスコーチは大企業を中心とした他社の導入実績が豊富です。また当社ならではのカスタマイズにも柔軟に応じていただける体制があり、安心感を覚えていました。

加えて大きな決定ポイントとなったのは、導入研修に参加していただいた講師の実績と受講者に対する説得力でした。担当講師は大手保険会社の役員として組織に1on1を導入した経験があり、当社の管理職が1on1を自分事化しやすくなるよう、他社の成功事例を交えた話をたくさんしてくれたんです。

丹野氏:ビジネスコーチと行う日々のやり取りでは、ただ寄り添ってくれるだけではなく、「対話してもらえる」「いろいろな角度から率直に意見をもらえる」ことがありがたいと感じています。1on1の導入には私たち自身、まったく自信がない状態からスタートしているので、議論を通じて施策を形にしていくプロセスはとても重要だったと思いますね。

――ありがとうございます。最後に、今後の組織開発における展望をお聞かせください。

佐々木氏:取り組み開始から約1年半、1on1の土台が少しずつできてきました。私自身、当社には1on1が必要だとずっと思ってきたテーマなので、うれしく思っています。

一方で、1on1の取り組みは発展途上であり、質の部分ではまだまだ理想の状態には遠いとも思っています。今年度いっぱいは取り組み部署を広げていき、その後は1on1の中身を充実させるフォローアップに注力したいですね。最終的には、私たちが介入するのではなく、現場主導で1on1を回していけるようにしたいです。

丹野氏:1on1を定着させていく上では、「1on1を使ってどんな組織にしたいのか」を一人ひとりのメンバーや管理職が言語化できるようになることが重要だと考えています。そうなれば1on1が目的化することなく、手段としてさらに有効に機能するのではないでしょうか。

労働市場全体を見渡せば、IT人材の獲得はますます難しくなっていくはずです。会社として採用や配置を柔軟化させたり、会社主導ではなく個人主導での異動が広がったりと、組織自体も大きく変化していくでしょう。そうした変化の中に動じず、イノベーションを自律的に起こせる個人や組織を、1on1を基軸としたコミュニケーションによって実現していきたいです。

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写真右から、ビジネスコーチ株式会社 マーケティング本部 松村 若奈、同社 営業本部 課長 出口 亮輔

 

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