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事例紹介

【楽天株式会社様】1on1は、上司が何かを言う場ではなく、「質問して、部下に考えさせる場」

楽天株式会社

グローバル人事部 ヴァイスジェネラルマネージャー 黒田 真二 氏
グローバルデータ統括部 執行役員 北川 拓也 氏

ビジネスコーチ 
お客様に聞く(1on1) ー 楽天株式会社 ー

 

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logor楽天㈱ グローバル人事部 ヴァイスジェネラルマネージャー 黒田 真二 氏、楽天㈱ グローバルデータ統括部 執行役員 北川 拓也 氏にビジネスコーチの1on1トレーニングを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

楽天株式会社について

r3楽天は、Eコマース、FinTech、デジタルコンテンツ、通信など70を超えるサービスを展開するIT企業です。サービス会員はすでに1億人近くに及び、「楽天エコシステム」とよばれる独自の経済圏を形成しています。年商9444億(2017年期 ※1)、従業員数1万4845名(※2)。 

(※1 楽天 IR情報より)
(※2 楽天 Webサイト 企業情報より)
(※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています)

1on1を全社的に実施

Q. 楽天での1on1の取り組み状況を教えてください。

(黒田氏):楽天では2017年より1on1を全社的に実施しています(※)。

楽天の管理職は、直属の部下全員に対し、30分の1on1ミーティングを、毎週/隔週の頻度で実施します。これは「楽天 単体 約6000人の就業時間合計のうち、毎週5000時間以上が1on1に使われる」ことを意味しており、きわめて重要な取り組みといえます。

※ 現在、楽天本社およびいくつかのグループ会社で1on1を実施しています。将来的に楽天グループ全体での実施を目指しています。

 

ビジネスコーチに役員向けトレーニングを依頼

Q. 今回、ビジネスコーチに依頼した業務の内容を教えてください。

ビジネスコーチには今回の1on1全社導入に先立ち、楽天㈱の経営層(執行役員以上)約70名向けの研修およびトレーニングを依頼しました。概要は次のとおりです。

【トレーニング実施概要】

項目 内容 備考
対象者 経営層(役員)すべて。
(代表取締役を除く)
約70名(含む外国人)
期間 2017年7月~2018年6月 今年(2018年)も継続実施
(※ 新規就任の役員向け)。

講師(コーチ)

5名 全員がいわゆる「エース級」のコーチ。
(※ 全員に、経営者、役員の経験がある)

【ビジネスコーチから提供されたカリキュラム(およびアフターサービス)】 

項目 内容 備考
『1on1の基礎知識』 1on1の基本的な考え方を学ぶ。
(座学形式)
7時間 * 4回 (3ヶ月)
『1on1の実践』 1on1を実際に行う。
(実習形式)
【個別コーチング】 
  • 1時間 * 6回
  • 月イチ、半年
【個別コーチング】 
  • 1時間 * 6回
  • 月イチ、半年
『事務局の支援』 1on1を社内浸透させるための
事務局へのアドバイス、情報提供

役員本人が語る1on1の価値

r2Q. 次に、今回のトレーニングを受講した北川様にお伺いします。北川様は、現在、楽天 執行役員および、「楽天データマーケティング」取締役として、400名の社員を率いています。その視点から1on1への見解、感想をお聞かせください。

(北川氏):1on1で行うフィードバック。私はこれを「相手の成長のみを考えてするプレゼント」と位置づけています。

1on1の主役は「相手(部下)」です。上司と部下の対話は、往々にして「評価」「通達」、酷い場合は「上司の感情のはけ口」になりがちですが、1on1でそれは許されません。フィードバックは「相手に受け入れられることがすべて」であり、「そんなつもりで言ったんじゃない」「こちらの意図が誤解された」など、言いわけです。

1on1は人事考課に結びつけてはいけない。「指導」も厳禁です。1on1は、上司が何かを言う場ではなく、「質問して、部下に考えさせる場」です。「こうした方がいいと思う」と言うのもいけない。「オレだったらこうするかも」でギリギリOKです。

フィードバックは楽天が目指す「エンパワーメント」に通じます。empowermentとは「相手のパワーを増やすこと」であり、自分のパワーで圧倒することではありません。

1on1の場で上司が取るべき態度を図式的にいえば、次のようになります。

NG OK
『自分が思ったままに言う』 「相手が受け止められるように伝える」
『自分が話をする』 「相手が受け止められるように伝える」
『判断する、評価する』 「聞く、理解する、受け入れる」
『なんとなく聞く』 「傾聴する」
『リラックスしすぎ、ダラダラした雰囲気」 「健全な緊張感」
『指導する』 「相手に考えさせる」

1on1は「上司が部下を深く知る場」ともいえます。部下の「価値観の根底(最も大事にしていること)」を知るのです。

それはなぜ、マネジメントに役に立つのか?

Q. 部下の価値観を知ることが、日々の業務で、どうプラスになるのでしょうか。

(北川氏):これは根本からお話しします。

私は楽天に入社するまで、ハーバード大学院で理論物理学を研究していました。「社会人経験」を持たないまま、いきなり役員になったわけです。

400人の部下の9割以上が、私より社歴や社会人経験が長い。その前提のもと、私はどうやってマネージャーとして自分を高速で成長させ、結果を出していけばよいのか。その手がかりとして着目しているのが「組織が何かを達成するときの『因果関係』」です。

組織体が何か活動して、飛躍的に上手くいくとき、全く上手くいかないときがあります。両者の違いは何なのか。私は「構成員の価値観のかみ合い」に着目しています。

「価値観がかみ合う」とは「一つの価値観で染め上げる」ことではありません。特に私の場合、部下の7割が外国人であり、価値観は当然ちがう。

ひとは価値観(大事にしていること)に沿って行動するとき、パフォーマンスが最大化します。部下全員の価値観を理解し、それらを歯車のようにかみ合わせて、最大限の出力が出せるようデザインすること。その「しくみ作り」こそ上級管理職の仕事だと考えています。

デザインの効果は指数関数的に、掛け算で積み上がります。ダメなデザインをすると、マイナスが積み重なり、どんどん乖離が激しくなります。一方、よく噛み合わせられれば、掛け算でプラスが広がり、大きな成果が出せるわけです。

優れた経営者は、この「人と人を噛み合わせる仕組み化」が、想像を遙かに超えるレベルでできています。だから超絶的な成果が出せるのでしょう。

上司のほうが疲れるのが1on1

Q.実際に1on1をやってみて分かったことは?

(北川氏): 1on1は、「上司の方が疲れる。つらい」場だと実感しています。私は、自分に対してもフィードバックを求めています。単純に、「最近のオレ、どう?」と部下に聞くわけです。時にはネガティブな意見も出る。すると単純に傷つくわけです(笑)。

1on1には「健全な緊張感」が必須です。真剣な対話であり、「終わった後はどっと疲れる」ぐらいでちょうど良いといえます。

コーチング企業に求めた要件

r1Q.ふたたび人事部、黒田様にお伺いします。今回、1on1トレーニングを依頼するコーチ企業を、どのように選定したかを教えてください。

2017年初旬に「全社的な1on1を導入する」と決まりました。その後、ビジネスコーチを含む数社を比較検討しました。比較検討の条件、求めた要件は次のとおりです。

要件1. 「1on1コーチングに関する深い知見。能力」
1on1を楽天全体で実施すると、毎週、社員全体の時間を膨大に費やすことになります。そこまで時間リソースを使う以上、必ず高品質の1on1が実践する必要がある。この「高品質1on1」を実現するためにも、そのトレーニングを依頼する企業には、「1on1に先駆的に取り組んでいること」「ハイレベルのコーチング能力があること」を求めました。

要件2. 「大企業での実績」
その先駆性、実力が、「大企業での多数の実績」という形で名実を備えていることを求めました。

要件3. 「コーチングの品質」
楽天の役員は、出自、職歴、年齢、バックグラウンドが極めて多様です。役員相手のコーチング研修なので、「単なる研修講師」に来てもらっても困ります。実際のビジネス経験、経営経験を持っている、一線級のコーチが提供されることを求めました。

要件4. 「組織力、デリバリー能力」
コーチングの品質を確保した上で、役員70名へのトレーニングを確実に行えるだけの「組織力に基づくデリバリー能力」を備えていることを求めました。

要件5. 「フォローアップ体制の充実」
社内で1on1を定着(習慣化)させていくにあたり、他企業での事例、ベストプラクティスなどの情報提供をはじめ、事務局の業務を支援する体制があることを求めました。

要件6. 「英語対応」
楽天グループの公用語は英語なので、英語によるトレーニングが可能であることを求めました。

要件7. 「価格の合理性」
以上、要件1~7を満たした上で、合理的な価格でサービスが提供されることを求めました。

これら7項目を基準に比較検討した結果、ビジネスコーチが楽天の求める要件を最もよく満たしていたので、同社にトレーニングを依頼することを決定しました。

トレーニングへの評価

Q.一連のトレーニングを終えてのビジネスコーチへの評価をお聞かせください。

どの役員からも高評価でした。「気づきが多かった」「他の人にも受けてほしい」「自分も継続して受けたい」などの声がありました。経営層として経験がまだ浅い若手の役員にも、良い成長の機会になったと考えます。コーチングを本格的に取り入れるのは初の試みでしたが、期待する成果がでていると社内でも評価しています。

先行ユーザーからのアドバイス

Q.現在、1on1導入を検討している企業に、「先行ユーザー」としてのアドバイスなどあればお聞かせください。

今回、1on1導入は、全社での実施に先立ち、まず役員トレーニングを行ったのが正解でした。先に上層部が1on1の価値を実感すれば、1on1に対し「本当に意味があるのか?」と言われることもなく、全社導入がスムーズに進むからです。今はむしろ経営層から、「1on1はちゃんと定着しているのか」とさえ言われます。

今後の期待

Q.ビジネスコーチへの今後の期待をお聞かせください。

1on1を通して楽天グループとしての組織力をさらに向上させていくことが、今後の課題です。そのためにも、現状に満足せず、状況に合わせた施策の展開を計画しています。ビジネスコーチ社には今後も適切なアドバイスと高品質なサービスの提供を期待しています。 

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