【人的資本投資(部長編)VOL.01】CHAPTER 01. 序章 ~経営戦略の実装を促す”部長”。部長投資の実態とは?~
部長支援の必要性(前編)
CHAPTER 01. 序章 ~経営戦略の実装を促す”部長”。部長投資の実態とは?~
”部長”というポジションについて、多くの企業はどのように考えているだろうか。
部長は、経営層の最下位であり現場の最上位に位置する、いわば”経営と現場の結節点”だ。この”経営と現場の結節点”に位置する部長は、企業にとって経営戦略を現場で実行していく(現場を指揮し動かしていく)うえでキーマンとなる存在であるが、その点を踏まえた部長に対する育成投資や支援は、果たして十分になされているのだろうか。
昨年10月の日経新聞で”日揮、3人で分ける「部長職」”という記事が掲載された。世界有数のエンジニアリング会社である日揮ホールディングス社では”多忙な部長が1人で求められるものをこなすことが難しい状況を踏まえ、部長の役割を再定義し、部長業務を3人で分ける”という考え方はこれまでの日本には無い新しい考え方であり、多くの企業が衝撃を受けた。また同社の取り組みをきっかけに、現代の部長の在り方に対して危機感を抱いた大手企業の役員たちが集まり、ビジネスコーチ社が幹事となり「人的資本経営時代の部長の役割や機能、開発方法」を考えるステアリングコミッティを開催することも決定した。
さらに今の部長に対するフォロー(個別支援)を検討する企業からの相談も増加傾向にあり、部長の在り方に危機感を持つ企業が増えてきていると言える。
しかし、実際のところ部長に対して十分なフォローができている企業は非常に少ないのが現状だ。
「多忙かつ、多くの経験から価値観や考え方が確立された部長」よりも、「経験が浅く未熟な部分はあるものの、新しいことを吸収するのが速く行動変容も容易な若手社員」に対するフォローや育成投資に注力している企業のほうが多いのが実態だ。特に若手社員には、離職を防ぐためのケアも必要とされている。
以下のグラフでは、支援強化が必要と思われる対象層を示しているが、若年層と中堅層に対する支援強化の必要性を感じる人が7割以上いるのに対し、ミドル管理職層・シニア管理職層といった部長を含む層に対する支援強化の必要性を感じる人は1割未満と非常に少ない。
そもそも、先進国と比較しても日本の人材投資率は圧倒的に低く、下のグラフの通り、対GDP比で1.0%を大幅に切っている。さらに、年々多様化が進む中で、激しさを増すビジネス環境の変化に合わせた人材のアップデートが求められるが、日本の人材投資率は………
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記事:松村(ビジネスコーチ社 マーケティング本部)
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