【人的資本投資(部長編)VOL.01】CHAPTER 03. 部長が機能しないことで起こる経営的インパクトとは?
部長支援の必要性(前編)
CHAPTER 03. 部長が機能しないことで起こる経営的インパクトとは?
高難易度のタスクを複数抱える部長だが、その部長が求められる期待値に対してうまく機能できなかった場合に、経営へ及ぼすインパクトを5つ取り上げお伝えしていきたい。
経営と現場の結節点だからこそ、部長の動きが経営を左右する
■業績の停滞・低迷の可能性
まず1つ目は、業績に対する影響だ。現状のまま誰からのフォローもなく、自らの経験則だけを頼りに思考し行動に起こすのでは、今のビジネス環境を正確に捉え、対応すべき課題の優先順位を明確に示すことなどできない。経営から求められるのは、この先の見えない未来における組織の成長である。1人で対応できるレベルのタスク量・難易度をはるかに超えている今の部長が、未来を予測し、戦略的思考に基づいた策を練ることは難しいだろう。
このような状況が続く場合、世間の認識・期待とのギャップにより、遅かれ早かれ必ず壁に直面し、それが売上や利益といった数字に反映される。数字の伸び悩みに対し、現場へのプレッシャーが増し、現場の疲弊感へとつながり、期待される行動発揮からさらに遠のく。気づいた頃には、競合他社との企業力の差が生まれていることが容易に想像できるのではないか。
■創出されないイノベーション
2つ目はイノベーションに関する影響だ。イノベーションは、現状に対して根本的な改善や進化をもたらすものであり、成長や進化を促し、競争力を高めることに大きく影響する。組織のイノベーション力が増すことで、新技術の開発やアイデアの創造、生産性の向上、さらには変化する顧客ニーズへの対応が可能となり市場開拓にも繋がる。そしてこのイノベーションを創出するには、トップに立つ人材がリーダーシップを発揮し、多様性のある人材を積極的に受け入れ尊重し、新しい視点を得ることが重要だ。
しかし、現状に追われアップデートもできずにいる部長(現場のトップ)のままでは、自分にはない新しい価値観や考え方を持つ多様な人材に対してリーダーシップを発揮することはできず、結局は古い体質・考え方の環境の中で同質性の高い人材を先導していく。よって、今後の組織の成長に必要となる新しい文化は形成されず、イノベーションが創出されない状況に陥る。
■アップデートされない企業の体質
3つ目は、企業が打ち出す経営方針と現場のギャップによって生じる影響だ。中長期的な企業の成長・繁栄を望むのであれば、時代に合わせた組織文化の醸成が欠かせない。働き方改革、エンゲージメントの向上、女性活躍推進、人的資本経営など、時代の変化に伴い注目されるようになり、だんだんそれが当たり前の世の中へと変わっていく中で、多くの企業がトッププライオリティで対応すべきものとして経営方針に掲げている。………
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記事:松村(ビジネスコーチ社 マーケティング本部)CHAPTER 04. 部長育成投資における個別の状況を加味したフォローと、導入におけるハードルとは?① ー個別の状況に合わせた継続的なフォローが効果を最大化するはこちら
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